歯科衛生士や歯科助手って大変な仕事ですよね。
やりがいがある!と感じられる方にとっては素晴らしい仕事だと思います。
でも、この記事を見ている方は何かしらの理由で、事務の仕事がしてみたいと考えている方がほとんどではないでしょうか。
この記事を書いている私は、歯科衛生士から事務職へ転職できました。
私の場合は、歯科衛生士をする前(10年くらい前)に一応、オフィスワークの経験があります。
ただ、オフィスで働いていただけで、「事務」ではなかったのと、年数も空きすぎていたので「事務未経験者」として転職活動をしました。
- 歯科衛生士や歯科助手から事務職へ転職したい人
- 30代からでも事務職に挑戦したい人
- 事務職への転職活動中だけど中々決まらない人
【結論】30代未経験で事務職転職は難しい!(でも無理じゃなかった)
歯科衛生士や歯科助手から事務職に転職したい場合に気になるのが、採用されるか?ですよね。
結論から言うと、一般企業×正社員の一般事務職は、今のところ内定は出ていません。
→派遣先の会社で正社員のお誘いを受けました!
それでも、事務系の仕事には就けました。
未経験・30代でも事務として雇ってくれるところはありました。
医療事務:3医院応募→1医院内定
一般企業事務:4社応募→2社書類選考通過まで
法人医療施設事務:2社応募→2社内定
派遣一般事務:2社登録→登録後1ヵ月程度で就業
歯科衛生士の場合、超売り手市場なので転職で苦労しないですよね。
でも、事務職は逆です。
働きたい人のほうが、求人数より多いので競争率も高いし難易度も上がります。
もちろん経験者や、もっと若い人・スキルがある人がいれば負けてしまいます。
転職活動を始めたばかりの頃は、書類選考すら通りませんでした。
これじゃダメだと感じて、資格取得や転職の下準備をしたら、面接に進めるようになり、「内定」も、ちゃんともらえました。
- 事務職の種類を知っておく
- 勉強と資格取得
- 自己分析(振り返り)
- 応募書類作り込み
- 転職・退職理由を前向きに表現(面接対策)
何の事務職を目指したい?まずは、ざっくり違いを知ろう
『事務職』と言っても色々な種類がありますよね。
どんな事務職をイメージして、転職したいと考えましたか?
そんな方は、よく求人に出てくる事務職の違いをざっくり知っておきましょう!
一般事務
一般事務とは、オフィス内でのデスクワークをさす場合が多いです。
細かい業務内容は企業や職種、部署によって業務内容は様々ですが、
データ入力、文書作成や資料作成・コピー、ファイリング、会議のセッティング、各種手配、電話応対、メール応対、郵便物の仕分けなどが一般事務の仕事として挙げられます。
実際の「一般事務」には、幅広い意味合いがあります。
会社によっては、営業事務や経理実務などの仕事も含めて、一般事務として募集することもあります。
営業事務
営業事務は、営業担当者の業務サポートとして、見積書や請求書の作成、発注管理、プレゼン資料作成などを行います。
時には営業に代わって顧客と連絡を取ったり、顧客の質問に答える場合もあります。
営業担当者と密にコミュニケーションを取り、業務を進めていく仕事です。
IT事務
IT事務は、電話対応やデータ入力等の一般的な事務の仕事に加えて、システムやネットワーク、サーバー等、ITに関するサポートをメインに担当します。
具体的には、パソコンの設定や社内のネットワークの設定、社内システムの管理、IT製品のマニュアル作成等を行います。
ヘルプデスクやITサポート事務と呼ぶ場合もあります。
総務事務
総務事務とは、会社運営に必要な業務を担当する総務部門の事務の仕事を指します。
具体的には、各種備品・設備の管理、社内規程・ルールの整備、社内文書の作成・確認、社内イベントの企画運営など、会社全体のサポート業務を行うのが一般的です。
会社によっては、人事・労務・法務などのバックオフィス業務を兼任することもあります。
経理事務
経理事務とは、主に会社のお金を管理し、入出金の流れを記録したりする仕事です。
経理事務の仕事内容は、日次・月次・年次で異なります。
主な日次業務は、現金管理や取引の入出金管理、それらに伴う請求書や領収書の確認・発行、精算業務などです。
月ごとの業務としては、売上額の集計や請求、支払いを行います。
年1回、年間の業績や財務諸表の作成、確定申告や年末調整、税務処理などの決算期に関する業務を担当するのも経理の仕事です。
医療事務
一般事務は、民間企業に勤務することが多いですが、医療事務は病院やクリニックなどの医療施設が主な勤務先になります。
仕事内容は、主に医療機関における「受付業務」「会計業務」「クラーク業務」「レセプト作成・点検業務」を行います。
大きな病院であれば、受付担当・レセプト担当など、携わる業務がわかれている場合もあります。
事務転職時にとった資格・勉強したこと
事務職は、必ずしも何か資格が必要なわけではありません。
でも、条件がほぼ同じ人が応募した場合、資格を持っているから…という理由で優遇される可能性はあります。
特に未経験で異職種への転職する場合、スキルや、意欲のアピールになります。
実際に勉強して転職にプラスになったと感じたものは、
「Excelの学習」「itパスポート資格取得」です。
総務事務の募集に応募した時の話ですが、
itパスポートは、派遣営業への受けが特によかったです。
紹介先企業との面談時には、itパスポートを持っていることを営業から推してもらえました。
Excelに関しては、関数や集計機能は使えるかなど、かなり詳しく聞かれました。
仕事によるのかもしれませんが、実際に勤め出してからも、Excelを使わない日はないです。
事務職転職に役立ったITパスポートとは?
先程から登場する、ITパスポートがどんな資格か、簡単にお伝えしていきます!
ITパスポート
試験名 | ITパスポート |
---|---|
受験資格 | 特になし |
受験料 | 7500円/税込み |
試験日 | 毎月数回実施 |
合格率 | 約50% |
問題形式 | 選択式(四肢択一) |
- 日常業務に必要なIT基礎知識
- ビジネスに関わる基礎知識
IT全く未経験の私でも、本1冊&過去問でコツコツ勉強して独学でも合格できました。
詳しくは、こちらを読んでみてください。
もちろん、独学に不安がある人には講座等で勉強する方法もあります。
ITパスポートは、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家資格です。
事務職であっても、IT知識が要求される時代です。
事務職でも「ITに強い人」が求められますし、徐々に「分かってあたりまえ」になってきています。
ほとんどの会社でネットやメール、社内システム等は使うので、知っているか・知らないかの差は大きいです。
例えば、インターネットや電子メールなどを業務で利用する際、機密情報漏洩・コンピューターウィルス感染があっては大変ですよね。
IT基礎知識以外にも、経営に関わる基礎知識も含まれます。
企業で働くのが初めてだとしても、会社で働く上での一般常識は理解していることのアピールになります。
企業の総務事務のように、会社の経営・運営を支えるバックオフィス系を目指したい人には特におすすめできます。
ただ、勉強することで何かができるようになる資格ではないので、もっと実務に直結するスキルを求めるなら、次に紹介する「MOS」のほうがおすすめできます。
Excel使えます!と言えるようになる資格
一定のExcelスキルがあることを証明できる資格として有名なのが「MOS(モス)」です。
正式名称は「MicrosoftOfficeSpecialist(マイクロソフトオフィススペシャリスト)」
マイクロソフト社が開発しているExcel、Word、PowerPoint等に対して、それぞれ試験があります。
更に製品のバージョンとレベルでも分かれていて、自分のニーズに合わせ選択して受験できます。
MOS(Excel)
試験名 | Microsoft Office Specialist Excel 365 |
---|---|
受験資格 | 特になし |
受験料 | 10780円(学割:8580円)/税込み |
試験日 | ほぼ毎日実施 |
合格率 | 約80% |
問題形式 | 実技(実際にExcel操作) |
※初心者向け・最新バージョンExcelの場合
MOSも本一冊から勉強できますし、無料の練習サイトもあります。
試験勉強におすすめな本はこちら↓
資格までは取らないにしても、実務的な知識を学びたい方におすすめなのはこちら↓
【必須】「自己分析(振り返り)」で客観的に「今まで」を見つめる
イメージに近い事務職は見つけられたでしょうか?
私の場合、事務職へ転職しよう!と決めたものの、次の目標や具体的な方向性は『よくわからない』でした。
でも、今までの経験を少しでも活かせたらいいなぁ
過去の私のように、何が自分に合うのかわからない方は特に、次にお話しする「自己分析(振り返り)シート」を作るのがおすすめです。
これまでの経験・得意なことを客観的に認識できて、自分に合う事務職を探しやすくなります。
この先の「応募書類作り」や「面接」でも役に立つので、最低限取り組んでみましょう!
「キャリアの棚卸し」と「好き、嫌いの把握」
転職活動をしていくと、履歴書作成や、面接など
自分を売り込まなくてはいけない場面があります。
そんな時のために、最初のステップとしてするべきなのが、「自己分析(振り返り)」です。
具体的には「キャリアの棚卸し」と「好き、嫌いの把握」をします。
何だか難しそうと思う方は、テンプレに沿って書き出してみましょう。
フォーマットは転職・求人サイトTypeさんのこちらのフォーマットをダウンロードして使いました。
私は上記のフォーマット、STEP4~5にある「反省」「やりがい」等の項目の他に、自分で経験した職場ごとの「退職理由」「好きだったところ」を追加して使用していました。
- 職場での自分の役割
- 好き・得意だった仕事、やり甲斐を感じられたこと
- 嫌いだった仕事、苦痛だったこと
- 身につけたスキル
- 退職理由
自分のスキルや経験、好き・嫌いは書き出すことで客観的に把握しやすくなります。
一度整理しておくと、面接で聞かれた時にも答えやすくなりますよ。
自分が何が好きで、何を苦痛に感じるか把握しておくことは、自分に合った仕事・職場探しのためには重要です。
例えば、「〇〇歯科は平均年齢が高くて、落ち着いてて好きだった」
という「好き」があるなら、それも次の職場探しの1つの判断基準になります。
書類選考で残る応募書類作成のポイント
選考までの流れの中で、最初の関門となるのが『書類選考』で残ることです。
採用担当は応募者全員と面接は行えないため、「履歴書」や「職務経歴書」を判断材料にして、面接する人材を見極めます。
そのため、書類の書き方ひとつで選考結果は大きく変わる可能性があります。
- 具体的な取り組みが記載されてるか
- 履歴書と職務経歴書で一貫性のある内容か
- 読みやすい工夫はされてるか(見出し・箇条書き等)
- 応募先に合わせたスキルのアピールができてるか
- 読み手を意識した書き方か(専門用語注意)
- 誤字脱字がない
- 入退社年月日は正しいか
- 西暦・和暦や文体の統一感はあるか
そんな方は、次を参考にしてみてください!
履歴書とは?職務経歴書とは?簡単に!
履歴書:応募者のプロフィール確認の書類
職務経歴書:業務経験と、スキルの確認の書類
履歴書見本
履歴書はフォーマットがある程度決まっています。
内容は、氏名や連絡先、学歴、職歴等の基本情報を記入します。
職務経歴書見本
職務経歴書はA4用紙1〜2枚、多くても3枚程度にまとめるのが一般的ですが、履歴書ほど形式は決められていません。
自由度が高い分、自分でレイアウトも綺麗に工夫する必要があります。
これまでにどのような仕事に携わり、どのような経験や技能を持ち、それをどう活かすことができるかを採用担当に伝える役割があります。
フォーマットは、転職サイト等でダウンロードもできますし、履歴書作成アプリで作成することもできます。
「自己PR」は応募先の仕事との共通点から作る
まずは、応募先の仕事内容をよく調べましょう。
そして、経験してきた仕事との共通点を探すところから始めてみると作りやすいです。
- 業務改善系
(効率化・マニュアル化など) - マネジメント系
(新人指導・スタッフ教育など)
この2つは、事務系職でもアピールしやすいです。
特に20代後半以上の方は、与えられた仕事を頑張ってきたというだけでは、正直苦しいです。
自己分析(振り返り)シートを再確認して、評価につながりそうな経験を探してみてください。
誰に言われたわけでもなく、主体的に取り組んだ経験があれば、そのエピソードを書いてみましょう。
自己PRや志望理由は、履歴書と職務経歴書の両方に同じ内容を書いてもOKです。
むしろ、全然違う内容だとおかしいので一貫性はもたせましょう。
これといって語れるエピソードがない場合は、日頃仕事をする上で工夫していたこと・心がけ等からアピールできそうな事を見つけてみましょう。
事務職で評価に繋がる経験や姿勢
事務職=サポート的な役割です。
「周囲に配慮する力」等、様々な立場の人とコミュニケーションを円滑にとってきた経験は活かせるはずです。
事務職で大切なのは、正確さと、ある程度のスピード感です。
そのため「ミスを減らすための工夫」「効率よく進める工夫」といった姿勢は、評価につながるでしょう。
マルチタスク=「複数の業務を短時間で切り替えながら、同時並行で仕事を進める手法」です。
仕事先にもよりますが、事務の仕事は守備範囲が広いのでマルチタスクになりがちです。
例えば、書類作成しつつ、電話対応、会議の準備など複数の業務を柔軟にこなす対応力が必要です。
歯科の仕事も、常に優先順位をつけて、切り替えながら行う仕事が多いので、アピールしやすい部分ではないでしょうか。
専門用語NG!読み手を意識して書こう
意外と盲点になりやすいのが、読み手に合わせた書き方ができるか?です。
例えば、今までの担当業務に『TBI』と書いても、歯科業界以外の人には伝わりにくいですよね。
患者指導や説明と言い換えたほうが伝わります。
事務職を希望するのに、SRP等の、歯科衛生士の技術的な業務の詳細ばかり書いてもしょうがないです。
応募先で活かせそうな経験を多めに書いてみてください!
- 受付や電話対応
- 患者説明
- カルテ管理や入力
- 説明資料作成
- マニュアル作成
- 在庫、備品管理
- 業者対応
- 院長のスケジュール管理等、秘書的業務
面接対策に…転職・退職理由を整理して言い換え
転職したいと考えている理由は何でしょう?
厳密には、退職する(した)理由は何でしょう?
転職を考えている方は、前職に対して何らかの不満や物足りなさがあるものと思います。
中途採用で選考される場合、何故転職するのか?は100%聞かれます。
歯科のスタッフだった人が、何故うちの事務職に?と疑問に持たれます。
注意したほうがいいのが、多くの場合、面接官は転職理由と退職理由の両方が知りたいということです。
転職理由→未来を考え、転職先でしたいこと(ポジティブ)
退職理由→退職のきっかけ(ネガティブ)
こんなイメージで考えてもらえるといいと思います。
ここで、重要なのが面接で伝える時の配分、伝え方です。
転職・退職理由を伝える時のポイントと具体例
面接で転職・退職理由を聞かれた時の答え方のポイント・具体例を紹介しますね。
- 転職理由8割+退職理由2割で伝える
- ネガティヴな内容は前向きに言い換える
特にネガティヴな前職の不満ばかりの伝え方になると、イメージが悪くなるのは想像できますよね。
実際に私は、こんな感じの伝え方をしました。
訪問歯科関係の事務部に内定を頂いた時の一例です。
本音
前職は、残業も多くて体調を崩してしまいました。
人間関係も悪かったため、とても長く続けられる気がしませんでした。
患者さん対応にはやりがいを感じられず、スタッフに貢献する事とPC作業が好きなので、注力したくて志望しました。
言い換え
前職は、古くから根付いたフローを大事にする風習がありました。
その影響か、残業時間が月〇時間を超える事も多かったです。
フローの改善を提案しましたが、叶わず、長く続けるのは厳しいと判断しました。
御社では事務スタッフとして専門的に業務を行うことで、共に働く方々をサポートでき、歯科医療にも貢献できることに魅力を感じ志望しました。
これまでの経験の中でも、資料作成や管理業務など、共に働くスタッフの方々を支援をすることが得意だと感じたため、注力したいと思っています。
歯科医院にて、職種に関わらずコミュニケーションをとってきた経験も活かせると思います。
訪問歯科のレセプトなど、専門的な業務にも挑戦できる御社で、細やかな気配りのできる事務員として成長していきたいです。
言い換えた後のほうが、前向きなイメージになったと思います。
建前や嘘を言ってしまうと、突っ込んだ質問をされた際にボロがでるかもしれません。
例え内定がもらえても、入社後にミスマッチが起こる可能性もあります。
多少の誇張やアピールは必要ですが、本音ベースで前向きな、一貫性のある回答を心がけると良いと思います。
事務職転職成功までにしたこと まとめ
- 事務職の種類を知っておく
- 勉強と資格取得
- 自己分析(振り返り)
- 応募書類作り込み
- 転職・退職理由を前向きに表現(面接対策)
特に必須だと感じたのが、自己分析(振り返り)です。
事務職は、競争率が高く人気の職業なので、選考で残るには
「自分の良さが伝わる応募書類作成」
「一貫性のある志望理由」
「経験に基づいた、オリジナリティある自己PR」
こういったものが必要です。
自己分析がしっかりできているからこそ、準備できるものだと思います。
歯科衛生士から、事務職への転職は決して簡単ではありません。
特に、歯科や医療と全く関係のない業界への転職は、わかりやすくアピール出来るものが少なく、苦労しました。
ですが、しっかり準備して臨めば、無理ということはなかったです。
ちなみに私は、より自分の働きやすさを求めた結果、何度か転職をしています。
歯科衛生士→内科の医療事務→法人歯科の総務事務→企業の総務事務
結果的に、段階を踏んでオフィスワークに近づけました。
歯科衛生士から、医療事務への転職は、思いのほかスムーズに決まりました。
同じ「医療」というキーワードが共通したのが、よかったのだと思います。
受付や患者対応など、共通した業務もあるので、経験も活かしやすいです。
ただ、私のように遠回りせずに、一般事務等のオフィスワーク希望の場合は、エージェントを使って仕事を探してもらうのが近道だと思います。
大手転職エージェントのリクルートエージェントあたりは登録しておきましょう。
エージェントさんとの相性が心配なら、転職エージェントナビで転職アドバイザーを通して探す方法もあります。
まだ、本当に転職するか決めてなくても、登録してOKです。
派遣事務への転職時に、実感しました。
今回お伝えしたような、応募書類の添削や、面接対策の支援も受けられるので、利用して有利に転職活動をすすめてくださいね。