就活や転職で役立てたくて、ITパスポートの資格取得を検討している人もいるのではないでしょうか。
筆者自身も、医療事務員からオフィスワークに転職したい!
何かアピールできる資格はないかな…と探した結果、辿り着いたのが「ITパスポート」でした。
でも、非IT系の人からすると、少し取っ付きにくいイメージのある資格ですよね。
エンジニア向けの資格なのでは?
文系には難しいのかな?
ネット知識がなくても受かるのかな?
結論から言うと、非IT系の文系でも、PCに詳しくなくても、勉強すれば充分合格できる資格です。
さらに、どちらかと言うと、非IT系の人向けとも言えます。(理由は後ほど)
仕事でPCを使うことも少なく、ITとはほぼ無縁だった私も、無事に資格取得できました。
今回は、完全初心者の私でも独学・1回で合格できた勉強方法を中心にお伝えしたいと思います。
- ITとは無縁
- ビジネス知識がない
- 文系
- 学生や主婦
- お金をかけずに勉強したい
ITパスポート試験とは?簡単に!
ITパスポートとは、ITの基礎知識を身につけていることを証明するための国家資格です。
試験の内容は?
試験の内容は、ITや経営に関連する基礎知識です。
ITパスポート試験は、「ストラテジ」「マネジメント」「テクノロジ」の3分野から問題が出題されます。
超簡単に3つの違いを説明すると
テクノロジ・・・コンピュータ関連の技術のはなし
ストラテジ・・・会社って何?経営とは?法律的なこと
マネジメント・・・製品とか組織ををちゃんと管理してねってはなし
試験範囲の半分弱は、ビジネスや経営に関すること、法律、マネジメントなどの内容です。
そうなんです。
なので、文系の人でも全く訳のわからない問題ばかり・・・ということはありません。
試験実施日
ITパスポート試験は、全国47都道府県に設置されている試験会場にて、随時実施されています。
原則、毎日どこかの会場では実施しています。
会場によっては午前・午後・夕方から時間帯を選んで受験できます。
ITパスポート試験の公式のホームページで、試験会場ごとの3ヶ月先までの試験開催状況(試験日時、空席等)を確認できます。
受験料
7500円(消費税込)/2024年8月現在
なるべく1発合格したいものですね。
出題形式
全問4択から一つ選ぶ形式。
会場につくと、1人1台PCが置いてあります。
問題は、PC上で解答していきます。
画面に表示された問題のうち、4択から正解を選んでクリック。
次の問題へをクリックして、進めていきます。
後で見直したい問題に、チェックをつけておくこともできます。
試験時間
ITパスポートの試験時間は120分です。
ちなみに、早く終わったらその時点で帰ってもOK。
申し込みした試験の時間内なら、遅刻しても受けさせてもらえます。
(但し、試験時間は減っちゃいます。)
合格点
総合評価点600/1000点で合格です。
さらに、分野別の評価点がすべて300/1000点以上である必要があります。
分野とは、ストラテジ・マネジメント・テクノロジのことです。
つまり、それぞれで3割以上、総合で6割以上の正答率で合格できることになります。
問題数は全部で100問で、分野ごとの問題数はこちら↓
※あくまで目安ですが、分野別で合格に必要な正解数もまとめました。
ストラテジ系(経営全般):35問程度→11問以上
マネジメント系(IT管理):20問程度→6問以上
テクノロジ系(IT技術):45問程度→24問以上
試験の合格はいつわかる?
正式には、受験した月の翌月15日前後にホームページで発表されます。
ただ、だいたいの合否なら試験の直後にその場でわかります。
問題を解き終わって、PC上で「試験終了」を押すと、こんな結果が出ます。
ここで、総合評価が600点以上かつ、各分野が300点以上なら合格の可能性があります。
この結果は試験後に公式からメールが送られてきて、サイト上でダウンロードできます。
ちなみに、採点方式はIRT(項目応答理論)という何やら難しそうな方法で採点されるらしいです。
単純に1問何点・・・という配点ではないようです。
正式合格発表から更に1か月後くらいに、合格証書も届きます。
勉強に使ったもの
完全初心者な私を、合格に導いてくれたアイテムを紹介していきます。
- 本
- 過去問
- アプリ
- YouTube
- 単語帳(参考書についてきた)
有料なのは本だけです。
¥2000以下。
なるべくお金は掛けたくなかったので、有料のスクールや教材は使っていません。
ITパスポート初心者におすすめな本
学習に絶対必要なのが、参考書となる本です。
本を買う際に注意することが1つあります。
シラバスのバージョンと適用される試験の時期
シラバスのバージョン | 適用される試験の時期 |
---|---|
Ver.6.1 | 2023年11月~2024年3月 |
Ver.6.2 | 2024年4月~2024年9月 |
Ver.6.3 | 2024年10月~ |
更に次のバージョンも2024年11月以降に試験を受ける場合は、範囲になる可能性があります。
自分が受ける試験日に合わせて、追加になる範囲がないか注意しておきましょう。
最新情報は公式HP等でチェック!
安くても、旧バージョンの古本は買わないように!!
私が実際に使った本1冊と、初心者におすすめな人気の2冊をご紹介します。
イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生のITパスポート教室
特徴:確認問題多めで知識を定着させやすい
余計な説明を省き、試験に出やすいところだけシンプルにまとめてくれています。
単元ごとに抜粋して問題もついているため、読んだところの理解度をチェックしながら、着実に覚えられます。
初心者からすると、最初から深く理解することは難しいので、AとくればB!という覚え方ができて効率的です。
筆者が使ったのはこの本!
とにかく猫のイラストが可愛い・・・
いちばんやさしい ITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集
特徴:丁寧な解説と必要十分の過去問
ITパスポートの本といえば、代表的なのがこちら。
Amazonでの口コミも多く、評価も高いです。
丁寧な解説で、とにかくわかりやすさに配慮されています。
イラスト・図・表がバランスよく掲載されているので、非常に理解しやすいつくりになっています。
キタミ式イラストIT塾ITパスポート
特徴:文字より絵で理解したい人向け
すべての解説がイラストベースなので、文章ばかりだと挫折しそうな人におすすめです。
挿絵がふんだんに盛り込まれており、とても頭に入りやすいです。
登場キャラクターが面白く、参考書なのに漫画感覚で飽きずに勉強を進めることができると高評。
過去問は買う必要なし
ITパスポートの勉強で何より重要なのが、問題に慣れることです。
おすすめなのが、ITパスポート試験ドットコムというサイトの「過去問道場」。
無料で利用できて、多くの過去問(約2400問)を解くことができます。
サイトがかなり充実しているので、問題集は別で買う必要はありません。
アカウントを作成すれば、間違った問題の復習や、学習到達度の確認もできるので便利です。
便利なアプリ
電車や昼休みなどのスキマ時間勉強用に、アプリがあると便利です。
ダウンロードしておけば、オフラインでも使えます。
YouTube
1冊の本だけで、全試験範囲を網羅はできません。
あと、ずっとPCや本に向かって勉強するのはしんどいです。
そんな時に便利なのが、YouTube。
おすすめの本で紹介した、いちばんやさしい ITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集こちらは、実はYouTube版(無料)があります。
著者の高橋京介さんによるYouTube講座です。
本は別のものを買っていたので、内容補填の意味で大変助かりました。
スマホで読める英略語
イメージ&クレバー方式でよくわかる かやのき先生のITパスポート教室 の特典で使えました。
試験には英字略語が頻出です。
主に試験1週間前〜当日用です。
最後のあがきは、暗記カードで!
勉強にかかる時間はどのくらい?
平均の勉強時間は、150時間くらい。
期間は3カ月程度と言われています。
実際に勉強してみて、前提知識の多さや、理解力レベルでかなり変わってくるのではないかと感じました。
はっきり言うと、その人のスペック次第です。
「初心者が1か月で合格できた!」とか書かれている方は、IT業界で働いたことがないだけで、おそらく元々の頭が良い方です。
ここでは、超凡人初心者の私が勉強にかかった時間も紹介しておきます。
同じように、我こそ凡人!と思う方は参考までに。
まず、私のスペック
専門卒(成績は頑張って中の上)
自称文系
ネット知識なし
ビジネス知識なし
私の場合は2022の7月頃勉強をはじめて、同年11月頭の試験で合格しています。
期間としては、約4か月程度です。
時間数にすると、200時間くらいでしょうか。
YouTube聞き流しとか、スキマ(アプリでポチポチ過去問)でやっていた時間を合わせると、もう少し費やしているかもしれません。
ビジネスの基礎知識のある、社会人経験が豊富な人なら、もっと短い時間でも合格可能だと思います。
私の場合は、新しい事を理解するのに時間がかかるタイプ(あと、勉強しなかった日もある)なので、4か月程度かかりました。
絶対に1回で受かりたかったので、過去問を安定して7割~8割以上はとれるまで慎重に勉強しています。
マイペースで凡人初心者が勉強しても、半年以内には合格できることがわかりました。
【本題!】勉強の具体的な方法
勉強方法の主軸として行ったのは、この2つだけです。
- 本を3周読む
- 過去問をひたすら解く
そして、補助的に+で下記を取り入れてます。
- YouTube
- 英略語暗記
試験日までの勉強のスケジュールイメージ
勉強開始〜試験当日まで、このようなスケジュールで勉強しています。
私の場合は、約4ヶ月の勉強期間を経て、試験に臨みました!
参考書を買ってきたら最初にやること(挫折防止策)
勉強のスケジュールでお見せしたとおり、まずは参考書を読むことからはじめています。
未経験分野の参考書だし、正直自信がなかったです。
そこで、挫折せずに読み終えるための準備をしました。
1冊を1ヶ月以内で読み終われるように、1日分のゴールを見える化しました。
- 目次で、実内容のページが何ページあるか確認する。
(目次や前置き等を除いたページ数) - そのページ数を30日で割る(毎日勉強する場合)
※500ページ分なら、16〜17ページ/1回分とします。 - 毎日のゴールのページに付箋を貼る。
もしくは、印をつける。
実際には、1日分のページ数近くの、各単元の切りがいいページをゴールにすると学習しやすいです。
これで、今日のゴールが目に見えるため、モチベーションを維持しやすくなりました。
【勉強1日目】まずは参考書を読んでみよう
1日目は、参考書を軽く読むことから始めます。
- 全体の把握
- 用語に慣れる
最初に軽く読むのは、試験範囲の全体像を把握することと、用語に慣れるためです。
用語に見慣れることで、後々説明が入りやすくなります。
最初から暗記する必要はないし、しっかり理解できなくても大丈夫です。
はぁ?何言ってんの??って箇所があっても、とりあえず読み進めましょう。
本によっては、確認問題が掲載されていると思います。
こちらも、解説ページを見ながら解けばOKです。
勉強をスタートさせた自分を存分に褒めてくださいね。
【勉強2日目~1ヵ月】本を読み進めよう!!
2日目以降も、基本的に1日目とやることは一緒。
その日の範囲を読み進めます。
追加でして欲しいことが1つ!!
前回読んだページを高速で流し読み!!
なので、2日目からは前回分+今回分を読むことになります。
前回読んだ箇所は、さらっとでいいです。
それでも、初めて読んだ時よりは「知っている内容」になっているはずです。
この感覚がとっても大事です。
このまま、本1冊読み終えるまで同じように続けます。
そうすると、終わる頃には本を2周分読んだことになります。
【2ヵ月目~3ヶ月目】過去問を解く&解説で勉強する
2か月目からは、過去問にチャレンジしていきます。
実際の問題を解くことが、一番の勉強になります。
なので、勉強期間もたっぷり2ヵ月くらいを目安にしました。
- 過去3年分(600問)を目安にする
- 分野ごとに問題を解く
- 正解以外の解説も読む
- 間違えた問題はわかるようにしておく
過去問道場では、年度ごと・分野ごとで問題を絞って出題できます。
こんな感じで・・・↓
1分野ずつ勉強したほうが、後で復習もしやすく、着実に勉強できて初心者には合っていると感じました。
問題量の目安は、過去3年分の問題(600問クリア)を目指します。
間違えた問題や、気になる問題はチェック機能を使って、後で確認出来るようにしておきます。
1問解くごとに正解を確認し、正解以外の解説もしっかり読めば、過去問で効率よく勉強できます。
【2ヵ月目〜】過去問を繰り返し復習する
何よりも大事なのが、問題が解けるようになることなので、過去問の復習は隙間時間も使って徹底して行います。
スケジュールイメージとしては、学習2か月目以降から並行して行いました。
基本的には、前の段階で解説を読んで勉強した問題を改めて解いていきます。
同じ問題を復習したほうが、しっかり知識が定着します。
何度か繰り返すと、この問題見覚えある!!答え覚えてる!!ってレベルになります。
8割くらいの点数が目標です。
この頃は、休みの日に敢えて電車で遠出して、移動時間でアプリで勉強していました。
【ながら勉強!】YouTube聞き流しも立派な勉強
勉強を始めて少し過ぎたころ、ふと思ったんです。
ずっと本やPCやスマホに向かって勉強し続けるのって中々しんどい。
そんな時に見つけたのが、YouTube聞き流し勉強法!!
他にも、YouTubeで探すと勉強の助けになる情報がたくさんあります。
もっと早く気付けばよかった。
なんなら、初日から取り入れてもよかった。
家事しながら
散歩しながら
ジムで自転車漕ぎながら
とりあえず聞き流せば用語にも慣れるし、知識の補填もできます。
【4ヵ月目~】模擬試験にチャレンジしよう
過去問の復習で8割程度が取れるようになったら、模擬試験に挑戦してみましょう。
- 解いたことのない年度の問題
- 時間も意識する(120分以内)
本番を意識して、時間内でどの程度できるか自分の実力をチェックします。
本番の試験は120分で100問なので、1問あたり1分12秒が目標!
【4ヵ月~】参考書で知識の整理&再確認
ここで、参考書3周目に入りました。
- 苦手内容の理解
- 頭の整理
試験本番前に、頭を整理することが目的です。
苦手な部分は理解できるようにしっかり読みます。
もう大丈夫そうな箇所は読み飛ばしてOK。
いくら頑張っても理解できない問題・・・
私はありました。
そんな場合は深追いし過ぎず、諦めていいと思います。
だって、100点でなくても、合格はできる!!
その分、確実に取れそうな問題をしっかり復習しましょう。
【試験1週間前~当日】本番目前の勉強は?
いよいよ本番!!
1週間前からは、単純な暗記に力を注ぎました。
試験には英略語がたくさん出てきます。
似ているものも多いので、間違わないように最終チェックします。
イメージ&クレバー方式でよくわかる かやのき先生のITパスポート教室 の暗記カードがスマホで見れて役立ちました。
その他に、最新のシラバスで追加になった用語をチェックしておくのも大事です。
追加内容は過去問にはまだなくて、あまり勉強できていない可能性が高いからです。
自分が受ける試験日に合わせ、シラバスのバージョンと適用される試験の時期はチェックしてましょう。
そもそもIパスは役に立つのか?おすすめな人とおすすめできない人
ITパスポートは役に立たない
意味がない
ネットで検索していると、こんなワードも出てきます。
この疑問の答えは・・・
人による!!が正解だと感じました。
一般的には、どんな人に役に立つ資格なのでしょうか。
- 学生が就活前にとる
- これからIT系職を目指したい
- 非IT系の人が知識をつけたい
- 接客業や工場勤務から事務系職に転職したい
- 人事、経理、総務の人
- 既にIT系に勤めていてキャリアアップしたい
- 実務に直結するIT知識が欲しい人
- IT系→IT系への転職
- 専門性、希少性の高い資格が欲しい人
試験実施元のIPAは、このように位置付けています。
iパスは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。
あくまで基礎知識なので、既にIT系職についている人にとっては「意味がない」と言われてしまうことがあります。
これが、冒頭でITパスポートは、どちらかと言えば非IT系人材向けの資格とお話しした理由です。
私個人としては、実際に資格をとって、転職活動で役に立ったと実感できたので「意味があった」と思っています。
まとめ
完全初心者がITパスポートに合格できた勉強方法を紹介しました。
- 参考書を読む(1・2周目)
- 過去問・解説で勉強(分野ごと)
- 過去問の復習
- 模擬試験
- 参考書を読む(3周目)
- 英略語暗記・最新シラバス内容
- YouTube聞き流し(ながら勉強)
実際に勉強してみて、正直なところ簡単な問題ばかりではなかったです。
結局最後まで理解できなかった問題もありました。
ただ、試験は4択問題なので、解けなくても運でなんとかなる可能性もあります。
その点では、決して難易度の高い試験ではないと思いました。
資格を取ったことで周りからも褒められたし、自分の自信にも繋がりました。
もちろん、私にとってはちゃんと転職にも役立ちました。
その話はこちらの記事で・・・
取って損のない資格だと思うので、迷っている方がいれば是非挑戦してみて欲しいです。
何より、独学で未経験分野の国家資格をクリアした経験そのものが一番の財産になりますよ。
私の経験が少しでも役立つ事を願います!!