就活や転職で役立てたくて、ITパスポートの資格取得を検討している人へ。
筆者自身も、医療事務員からオフィスワークに転職したい!
何かアピールできる資格はないかな…と探し、辿り着いたのが「ITパスポート」でした。
こちらの記事では、私が実際に独学・1回で合格できた勉強方法をお伝えします。
読んで実践すれば、完全初心者でも無理なく就職・転職に役立つ国家資格が取得できますよ。
ITパスポート試験とは?簡単に!
ITパスポートとは、ITの基礎知識があることを証明するための国家資格。
知名度も高く、年齢・性別・職種問わず人気の資格です。
試験の内容は?どんなことを勉強するの?
試験の内容は、ITや経営に関連する基礎知識です。
ITパスポート試験は、「ストラテジ」「マネジメント」「テクノロジ」の3分野から問題が出題されます。
超簡単に3つの違いを説明すると
テクノロジ・・・コンピュータ関連の技術のはなし
ストラテジ・・・会社って何?経営とは?法律的なこと
マネジメント・・・製品とか組織ををちゃんと管理してねってはなし
試験範囲の半分弱は、ビジネスや経営に関すること、法律、マネジメントなどの内容です。
そうなんです。
なので、文系の人でも全く訳のわからない問題ばかり・・・ということはありません。
勉強に使ったもの
完全初心者な私を、合格に導いてくれたアイテムを紹介していきます。
- 本:かやのき先生のITパスポート教室
- 過去問:「過去問道場」
有料なのは本だけです。¥2,000以下。
なるべくお金は掛けたくなかったので、有料のスクールや教材は使っていません。
ITパスポート初心者におすすめな本
学習に絶対必要なのが、参考書となる本です。
本を買う時は、試験を受ける時期のシラバス(試験範囲)に対応した本を買うようにしましょう。
シラバスのバージョンと適用される試験の時期
シラバスのバージョン | 適用される試験の時期 |
---|---|
Ver.6.2 | 2024年4月~2024年9月 |
Ver.6.3 | 2024年10月~2025年9月 |
Ver.6.4 | 2025年10月頃~ |
2025年6月現在は、Ver.6.3です。
4月に次のバージョンVer.6.4が発表されていて、試験への適用は10月頃からと予測されます。
ただ、Ver.6.3→Ver.6.4への変更箇所は1箇所のみの小さな変更。
※プロバイダ責任制限法という法律が改正し、情報流通プラットフォーム対処法となりました。
なので、今は「シラバス6.3対応」や「令和7年」と書かれた本で勉強すれば問題ありません。
今までの傾向上、シラバスは半年~年1程度で改定されているので、最新バージョンの確認は必須です。
私が実際に使った本1冊と、初心者におすすめな人気の3冊をご紹介します。
かやのき先生のITパスポート教室
特徴:確認の問題多めで知識を定着させやすい
余計な説明を省き、試験に出やすいところだけシンプルにまとめてくれています。
単元ごとに抜粋して問題もついているため、読んだところの理解度をチェックしながら、着実に覚えられます。
初心者からすると、最初から深く理解するのは難しいので、AとくればB!という覚え方ができて効率的です。
筆者が使ったのはこの本!
いちばんやさしい ITパスポート
特徴:丁寧な解説と必要十分の過去問
ITパスポートの本といえば、代表的なのがこちら。
Amazonでの口コミも多く、評価も高いです。
丁寧な解説で、とにかくわかりやすさに配慮されています。
イラスト・図・表がバランスよく掲載されているので、非常に理解しやすいつくりになっています。
キタミ式イラストIT塾ITパスポート
特徴:文字より絵で理解したい人向け
すべての解説がイラストベースなので、文章ばかりだと挫折しそうな人におすすめです。
挿絵がふんだんに盛り込まれており、とても頭に入りやすいです。
登場キャラクターが面白く、参考書なのに漫画感覚で飽きずに勉強を進めることができると高評。
ITパスポート最速合格術
特徴:効率よく全体像をつかみたい
効率よく、短時間で学びたい人向けの1冊です。
とっつきにくい内容も「たこ焼き屋」の経営に例えて、かなり噛み砕いて説明されています。
著者の西俊明さんの講義YouTubeもあり、内容は超有料級です。
過去問は買う必要なし
ITパスポートの勉強で何より重要なのが、問題に慣れることです。
おすすめなのが、ITパスポート試験ドットコムというサイトの「過去問道場」。
無料で利用できて、多くの過去問(約2,500問)を解くことができます。
アカウントを作成すれば、間違った問題の復習や、学習到達度の確認もできるので便利です。
便利なアプリ
電車や昼休みなどのスキマ時間勉強用に、アプリがあると便利です。
ダウンロードしておけば、オフラインでも使えます。

YouTube動画
1冊の本だけで、全試験範囲を網羅はできません。
あと、ずっとPCや本に向かって勉強するのはしんどいです。
そんな時に便利なのが、YouTube。
おすすめの本で紹介した、いちばんやさしい ITパスポートやITパスポート最速合格術
は、YouTube動画(無料)があります。
流し効き用途におすすめ!ITパスポート絶対合格の講座
主に聞き流し用メインで使えるのが、ITパスポート 絶対合格の講座です。
専門用語1単語ずつ、説明+問題1問形式で解説してくれています。
1つの動画は5分~10分と短めで、かなり聞き取りやすいので移動時間にも使えます。
対応の本はいちばんやさしい ITパスポートになります。
しっかり講義動画!デジつよ トシゾー講義中
しっかりとした解説が聞きたい時は、デジつよ トシゾー講義中がおススメ。
なんと80本近い講義動画が無料です。
さらに、直前チェック用の用語解説動画や計算問題集中解説動画まで無料。
対応の本はITパスポート最速合格術です。
スマホで読める英略語暗記カード
試験には英字略語が頻出です。
プロの棋士に勝利するまでに将棋ソフトウェアの能力が向上した。この将棋ソフトウェアの能力向上の中核となった技術として、最も適切なものはどれか。
アVR イER ウEC エAI参考:ITパスポート試験平成31年春期問23
このような問題がたくさん出ます。
略語系の問題は、何となくでも覚えていれば取れる問題です。文系としては死守したいところ。
かやのき先生のITパスポート教室の特典でついてきた英略語帳が役に立ちました。
勉強にかかる時間はどのくらい?
超凡人、初心者の私で約4ヵ月。
時間数にすると約200時間(1日1.5時間強)。
YouTube聞き流しとか、電車でのスキマ(アプリで過去問)時間を合わせると、もう少し費やしているかもしれません。
2022年の7月頃勉強をはじめて、同年11月頭の試験で合格しています。
絶対に1回で受かりたかったので、過去問を安定して7割~8割以上はとれるまで慎重に勉強して4ヵ月。
毎日2時間とか集中して勉強できれば、1ヵ月くらい短縮できたかも・・・とも思います。
平均の勉強時間は、150時間くらい。
期間は3カ月程度と言われています。
ビジネスの基礎知識のある、社会人経験が豊富な人なら、もっと短い時間でも合格可能だと思います。
勉強の具体的な方法
勉強方法の主軸として行ったのは、この2つだけです。
- 本を3周読む
- 過去問をひたすら解く
そして、補助的に+で下記を取り入れてます。
- YouTube
- 英略語暗記
試験日までのスケジュールイメージ
勉強開始〜試験当日まで、このようなスケジュールで勉強しています。

私の場合は、約4ヶ月の勉強期間を経て、試験に臨みました!
本を買ってきたら最初にやること(挫折防止策)
本を買ってきたら、最初にすべきは「挫折防止対策」です。
1冊を1ヶ月以内で読み終われるように、1日分のゴールを見える化しました。
- 目次で、実内容のページ数を確認
(目次や前置き等を除いたページ数) - そのページ数を30日で割る(毎日勉強する場合)
※500ページ分なら、16〜17ページ/1回分とします。 - 毎日のゴールのページに付箋等で区切る
実際には、1日分のページ数近くの、各単元の切りがいいページをゴールにすると学習しやすいです。
これで、今日のゴールが目に見えるため、モチベーションを維持しやすくなりました。
【勉強1日目】まずは参考書を読んでみよう
1日目は、参考書を軽く読むことから始めます。
- 全体の把握
- 用語に慣れる
最初に軽く読むのは、試験範囲の全体像を把握することと、用語に慣れるためです。
用語に見慣れることで、後々説明が入りやすくなります。
最初から暗記する必要はないし、しっかり理解できなくても大丈夫です。
本によっては、確認問題が掲載されていると思います。
こちらも、解説ページを見ながら解けばOKです。
【勉強2日目~1ヵ月】今日の分+前回の範囲も読む

2日目以降も、その日の範囲を読み進めます。
2日目からは、追加でして欲しいことが1つ!
前回読んだページも高速で流し読み!!
なので、2日目からは前回分+今回分を読むことになります。
前回読んだ箇所は、さらっとでいいです。
それでも、初めて読んだ時よりは「知っている内容」になっているはずです。
この感覚が記憶の定着にとっても大事です。
このまま、1ヵ月目標で本1冊読み終えるまで同じように続けます。
【2ヵ月目~3ヶ月目】過去問&解説で勉強

2か月目からは、過去問にチャレンジしていきます。
実際の問題を解くことが、一番の勉強になります。
なので、勉強期間もたっぷり2ヵ月くらいを目安にしました。
- 過去3年分(600問)を目安にする
- 分野ごとに問題を解く
- 正解以外の解説も読む
- 間違えた問題はわかるようにしておく
過去問道場では、年度ごと・分野ごとで問題を絞って出題できます。
こんな感じで・・・↓
1分野ずつ勉強したほうが、後で復習もしやすく、着実に勉強できて初心者には合っていると感じました。
問題量の目安は、過去3年分の問題(600問クリア)を目指します。
間違えた問題や、気になる問題はチェック機能を使って、後で確認出来るようにしておきます。
1問解くごとに正解を確認し、正解以外の解説もしっかり読めば、過去問で効率よく勉強できます。
【2ヵ月目〜】過去問を繰り返し復習する

何よりも大事なのが、問題が解けるようになること。
過去問の復習は、徹底して行うのがおすすめです。
基本的には、一度解いた過去問を改めて解いていきます。
同じ問題を復習したほうが、しっかり知識が定着します。
何度か繰り返すと、この問題見覚えある!!答え覚えてる!!ってレベルになります。
8割くらいの点数が取れるまで繰り返します。
私は家では新たな問題を解き、スキマで過去問の復習をすすめました。
【ながら勉強!】YouTube聞き流しも立派な勉強
勉強を始めて少し過ぎたころ、ふと思ったんです。
ずっと本やPCに向かって勉強し続けるのって中々しんどい。
そんな時に気付いたのが、YouTube聞き流し勉強法!!
他にも、YouTubeで探すと勉強の助けになる情報がたくさんあります。
家事しながら
散歩しながら
ジムで自転車漕ぎながら
とりあえず聞き流せば用語にも慣れるし、知識の補填もできます。
【4ヵ月目~】模擬試験にチャレンジしよう

過去問の復習で8割程度が取れるようになったら、模擬試験に挑戦してみましょう。
- 解いたことのない年度の問題
- 時間も意識する(120分以内)
本番を意識して、時間内でどの程度できるか自分の実力をチェックします。
本番の試験は120分で100問なので、1問あたり1分12秒が目標!
【4ヵ月~】参考書で知識の整理&再確認

ここで、参考書3周目に入りました。
- 苦手内容の理解
- 頭の整理
試験本番前に、頭を整理することが目的です。
苦手な部分は理解できるようにしっかり読みます。
もう大丈夫そうな箇所は読み飛ばしてOK。
いくら頑張っても理解できない問題・・・
私はありました。
そんな場合は深追いし過ぎず、諦めていいと思います。
だって、100点でなくても、合格はできる!!
その分、確実に取れそうな問題をしっかり復習しましょう。
【試験1週間前~当日】本番目前の勉強は?

いよいよ本番!!
1週間前からは、単純な暗記に力を注ぎました。
試験には英略語がたくさん出てきます。
似ているものも多いので、間違わないように最終チェックします。
かやのき先生のITパスポート教室の暗記カードがスマホで見れて役立ちました。
その他に、最新のシラバスで追加になった用語をチェックしておくのも大事です。
追加内容は過去問にはまだなくて、あまり勉強できていない可能性が高いからです。
自分が受ける試験日に合わせ、シラバスのバージョンと適用される試験の時期はチェックしてましょう。
ITパスポート試験の概要
試験実施日
ITパスポート試験は、全国47都道府県に設置されている試験会場にて、随時実施されています。
原則、毎日どこかの会場では実施しています。
会場によっては午前・午後・夕方から時間帯を選んで受験できます。
ITパスポート試験の公式のホームページで、試験会場ごとの3ヶ月先までの試験開催状況(試験日時、空席等)を確認できます。
受験料
7,500円(消費税込)/2025年4月現在
なるべく1発合格したいものですね。
出題形式
全問4択から一つ選ぶ形式。
会場につくと、1人1台PCが置いてあります。
問題は、PC上で解答していきます。
画面に表示された問題のうち、4択から正解を選んでクリック。
次の問題へをクリックして、進めていきます。
後で見直したい問題に、チェックをつけておくこともできます。
試験時間
ITパスポートの試験時間は120分です。
ちなみに、早く終わったらその時点で帰ってもOK。
申し込みした試験の時間内なら、遅刻しても受けさせてもらえます。
(但し、試験時間は減っちゃいます。)
合格点
総合評価点600/1000点で合格です。
さらに、分野別の評価点がすべて300/1000点以上である必要があります。
分野とは、ストラテジ・マネジメント・テクノロジのことです。
つまり、それぞれで3割以上、総合で6割以上の正答率で合格できることになります。
問題数は全部で100問で、分野ごとの問題数はこちら↓
※あくまで目安ですが、分野別で合格に必要な正解数もまとめました。
ストラテジ系(経営全般):35問程度→11問以上
マネジメント系(IT管理):20問程度→6問以上
テクノロジ系(IT技術):45問程度→24問以上
試験の合格はいつわかる?
正式には、受験した月の翌月15日前後にホームページで発表されます。
ただ、だいたいの合否なら試験の直後にその場でわかります。
問題を解き終わって、PC上で「試験終了」を押すと、こんな結果が出ます。

ここで、総合評価が600点以上かつ、各分野が300点以上なら合格の可能性があります。
この結果は試験後に公式からメールが送られてきて、サイト上でダウンロードできます。
ちなみに、採点方式はIRT(項目応答理論)という何やら難しそうな方法で採点されるらしいです。
単純に1問何点・・・という配点ではないようです。
正式合格発表から更に1か月後くらいに、合格証書も届きます。
ITパスポートって「IT」に無縁でも受かる?
結論、1回で合格できました。
- ITとは無縁
- ビジネス知識がない
- 文系
- 学生や主婦
非IT系の人からすると、少し取っ付きにくいイメージのある資格ですよね。
エンジニア向けの資格なのでは?
文系には難しいのかな?
ネット知識がなくても受かるのかな?
受けてみて、非IT系や文系でも勉強すれば充分合格できると感じました。
PCに慣れてるとかも、全く関係ないです。
仕事でPCを使うことも少なく、ITとはほぼ無縁だった私も、無事に資格取得できました。
Iパスは役に立つ?おすすめな人は?
ITパスポートは役に立たない
意味がない
ネットで検索していると、こんなワードも出てきます。
この疑問の答えは・・・
人による!!が正解だと感じました。
一般的には、どんな人に役に立つ資格なのでしょうか。
- 学生が就活前にとる
- これからIT系職を目指したい
- 非IT系の人が知識をつけたい
- 接客業や工場勤務から事務系職に転職したい
- 人事、経理、総務の人
- 既にIT系に勤めていてキャリアアップしたい
- 実務に直結するIT知識が欲しい人
- IT系→IT系への転職
- 専門性、希少性の高い資格が欲しい人
試験実施元のIPAは、このように位置付けています。
iパスは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。
あくまで基礎知識なので、既にIT系職についている人にとっては「意味がない」と言われてしまうことがあります。
むしろ、どちらかと言えば非IT系人材向けの資格です。
私個人としては、実際に資格をとって、転職活動で役に立ったと実感できたので「意味があった」と思っています。
まとめ

完全初心者がITパスポートに合格できた勉強方法を紹介しました。
- 参考書を読む(1・2周目)
- 過去問・解説で勉強(分野ごと)
- 過去問の復習
- 模擬試験
- 参考書を読む(3周目)
- 英略語暗記・最新シラバス内容
- YouTube聞き流し(ながら勉強)
実際に勉強してみて、正直なところ簡単な問題ばかりではなかったです。
結局最後まで理解できなかった問題もありました。
ただ、試験は4択問題なので、解けなくても運でなんとかなる可能性もあります。
その点では、決して難易度の高い試験ではないと思いました。
資格を取ったことで周りからも褒められたし、自分の自信にも繋がりました。
もちろん、私にとってはちゃんと転職にも役立ちました。
その話はこちらの記事で・・・

取って損のない資格だと思うので、迷っている方がいれば是非挑戦してみて欲しいです。
何より、独学で未経験分野の国家資格をクリアした経験そのものが一番の財産になりますよ。
私の経験が少しでも役立つ事を願います!!