歯科助手だけど、医療事務の仕事に興味がある
でも、経験者の募集ばかりだし採用されないのでは?
今回は、歯科助手から医療事務に転職しようか悩んでいる方に向けた記事です。
歯科助手の仕事をしていても、医療事務員に転職したいなぁ・・・と考えている方は一定数いるのではないでしょうか。
私自身、歯科→医科に転職しています。
両方とも、医療に関わる仕事であり、特別な資格は不要なのでチャレンジしやすい職種ですよね。
でも、医療事務は経験者の募集が多いのも真実。
歯科助手から未経験で医療事務への転職は現実的に可能なのか?不安になるかもしれません。
結論、歯科助手から医療事務への転職は現実的に充分可能で、場合によっては優遇される可能性もあります。
歯科助手から医療事務が有利な理由
人気の医療事務ですが、歯科助手の経験があれば場合によっては優遇される可能性もあります。
その理由は
- 患者さんの対応
- 他職種(歯科医師など)とのコミュニケーション
- 歯科のセプト経験
- 受付経験
歯科助手も医療事務も共通点があるから!です。
医療事務に活かせる経験としての、立派なアピール材料になります。
医療事務は特別なスキルがなくても働けるため、医療業界自体が初めてな人からの応募も多いです。
未経験者全体の中で見れば、歯科助手として患者対応や受付をしてきた経験は優遇されやすいといえます。
面接官が「歯科」に興味を示してくれる場合はラッキーで、面接でも話が弾みやすいメリットもあります。
医療事務未経験だけど「経験者募集」に応募できる?
応募したい求人を見つけたけど「経験者募集」。
個人的な意見ですが、応募するのは自由だし、問い合わせるのは悪いことではないと思います。
実際のところ、応募先が何を求めて「経験者募集」としているかによって、採用の可能性は変わってきます。
例えば
- 内科レセプト経験が3年以上
- 特定のレセプトソフトの経験者
応募先に具体的な求める人物像がある場合は、はっきり言って採用される可能性は低いです・・・
でも、「受付経験があればOK」「患者さん対応に慣れているなら可」などと条件がゆるめな職場もあります。
経験者であっても、電話対応や受付しか経験がなく、レセプトは全くできない人は結構存在します。
採用側からすると、中途半端で扱いにくい経験者と伸びしろがありそうな未経験者が応募した場合、未経験の方を欲しがる可能性は十分高いです。
歯科助手から転職したい理由
歯科助手から医療事務へ転職したくなるのはどんな時でしょうか。
よくある歯科助手の転職理由(本音)をまとめました。
自分と同じような悩みを、他の歯科助手も思っているかもしれません。
- 歯科医師との相性が合わない
- 職場の人間関係
- 身体的にキツい
- 違法行為があった
- 仕事内容が大変、合わない
- 給与や労働条件への不満
- 他の仕事もしてみたいから
歯科医師との相性が合わない
歯科助手は、アシスタントとして歯科医師と密接に関わりますよね。
歯科医師によっては、理不尽に厳しい人もいます。
歯科医師との相性が悪いと、仕事が進めにくく、ストレスを抱えてしまうケースもあります。
院長先生の方針や考え方が合わずに、退職を考える歯科助手も多いです。
職場の人間関係
歯科助手の退職理由に多いのが、スタッフ間の人間関係です。
一般的な職場と比べて、小さな組織である歯科医院は、人間関係が密であることが多いです。
歯科助手は国家資格を持たないため、何かしらでトラブルがおきた時に立場的に弱くなってしまい、当たりが強くなりがち。
狭い職場では気まずくても逃げ場を見つけにくく、辛い思いをする場合も。
身体的にキツい
診療中は当然、歯科医師の治療のしやすさが優先になりますよね。
アシスタント側は無理な姿勢になることもあれば、1日中立ちっぱなしなことも多いです。
足腰に負担がかかるため、身体的にキツくて続けられないと判断する人もいます。
違法行為があった
本来、あってはならないことですが・・・
歯科医院は必要最低の人数しか雇わないことが多いため、どうしても1人の仕事範囲は増えがちです。
人手不足ゆえに、歯科助手にも色々な仕事が振られます。
違法なのでは?と思いながらも、目を瞑って対応している歯科助手はたくさんいると思います。
正直、歯科業界はまだまだ、暗黙のルールであやふやにされている部分は多いと感じます。
資格がないのに対応しなくてはならず、患者さんへの申し訳なさで辞めたくなるというのも、残念ながらよくあることです。
仕事内容が大変、合わない
歯科助手は無資格・未経験でも働けますが、決して楽な仕事ではないですよね。
経験者なら、それぞれ大変さを知っているわけですが・・・
想像以上の大変さに、もう少し楽に働きたいと感じてしまう人もいると思います。
向いていなくても、向上心があり環境にも恵まれれば続くパターンもありますが
仕事内容自体、経験してみて苦手と感じる歯科助手もいます。
給与や労働条件への不満
有給が取れない、サービス残業が多いなど、条件面に対する不満で退職する歯科助手も多いです。
長年勤めても給与が上がらないのに納得がいかず、辞めたくなる歯科助手もいます。
確かに、頑張りが評価されていないと感じると、モチベーションはあがらないですよね。
他の仕事もしてみたいから
新卒から歯科助手を続けているなどの場合、漠然と他の仕事もしてみたいなぁと考えるのは自然なことです。
歯科助手に限らず、ずっと同じ仕事をするのか、他もチャレンジするのかは、多くの人が悩むことです。
歯科助手から医療事務への転職で後悔する人
転職したい理由は人それぞれですが、少なからず新しい職場に希望を持っていると思います。
歯科助手から医療事務になる場合も、「働きやすさ」や「やりがい」を求めて転職する方がほとんどです。
注意しないといけないのは、転職理由によっては、医療事務に転職したからといって希望が叶うとは限らないということです。
特に、周りの環境が原因で転職したい!!と思っている場合は注意が必要です。
- 人間関係
- 仕事が大変
- 残業が嫌だ
人間関係・仕事の大変さ・残業の多さなど、周りの環境が原因で転職したい場合、逆に後悔してしまうかも。
少し慎重に考えたほうが、失敗しにくいでしょう。
人間関係が理由の場合同じ道を辿るかも
小規模なクリニックの医療事務の場合は、人間関係の密度的にはあまり歯科助手と変わらない可能性も。
医療事務も女性が多く、人の入れ替わりやすい職種です。
入った当初はよくても、途中で苦手な人が入ってくる可能性だってあり得ます。
密な人間関係を避けるといった意味では、比較的大きな組織のほうが、1人くらい苦手な人がいても逃げ場も見つけやすいかもしれません。
人間関係については、実際に働いてみないとわからないのが現実です。
医療事務も歯科助手も仕事は大変
歯科助手の仕事が大変だから、医療事務に転職したいなぁと考えるのであれば、少し危険です。
医療事務も、歯科助手とはまた別の大変な一面があります。
医療事務の業務は幅広いです。
受付や会計だけでなく、レセプト業務やカルテ作成など専門的な知識が必要です。
当然、覚えることも多いです。
レセプトで必要な診療報酬の基準は2年に一度改正されます。
社会保険制度なども頻繁に変わります。
なので、常に最新の情報をチェックして取り入れなくてはなりません。
残業は増える可能性も
実際私が歯科から医療事務に転職した時は、残業時間は増えました。
勤めた内科クリニックは、診察時間までに受付した患者さんは全て診る方針だったこともあります。
診察時間は18時終わりでも、その時点で待ちが15人いれば全員の診察が終わるまで帰れない!!なんてことは当たり前です。
患者さんが帰ってから、医療事務員は締め作業や掃除をします。
更に、その後に残って書類仕事をする日もありました。
残業についても、職場によってかなり違います。
医療事務だから少ないということはないので、注意が必要です。
じゃあ、転職で後悔しにくい人とは?
- ステップアップ目的で医療事務を目指す
- 希望の診療科(眼科など)で働きたい明確な理由がある
○○が嫌だから、▲▲が不満だから転職したい!!のではなく、
前向きな理由で転職したい人のほうが、後悔はしにくいと思います。
例えば、
将来の目的のために医療事務の経験をしておきたい!!
視能訓練士に興味があって、眼科の事務として働きたい!!
こんな場合には、歯科助手から医療事務へ転職したほうが、目標に近づけそうですよね!
歯科助手を辞めたいから「医療事務」→後悔するかも
「医療事務」をやりたい明確な理由がある→後悔しにくい
ちなみに筆者は、元々は歯科衛生士でしたが
正直、歯科衛生士の仕事はストレス!!というマイナスな理由と
資料を作ったり、事務系の仕事は好き!!むしろ黙々作業が大好き!という前向きな両方の理由で
ゆくゆくは医療従事者さんの役に立てるような、裏方的仕事で食っていきたい!!と思い、
歯科衛生士→医療事務→歯科の総務事務
といったように、ジョブチェンジしてきました。
なので、転職したい理由の全部が前向きでなくても(そんな人は凄すぎる)
仕事の中では、○○が遣り甲斐!▲▲なら結構好き!といったような
自分ならではの「ちょっとした前向きな理由」を見つけられると、後悔しにくいし強みになるよなぁと思います。
歯科助手から医療事務への「志望理由」例を紹介
歯科助手から医療事務へ転職する場合、必要になるのが「志望理由」ですよね。
本音の理由が前向きなものであるなら、直接そのまま伝えればOKですが、そうではない場合もあると思います。
嘘はおすすめしませんが、本音で話し過ぎて損をしてしまうのも考えものです。
今回は、前向きな理由として使えそうな例を紹介します。
例1 知識を増やし「長く働きたい」ことを伝えるパターン
私は人と接することが好きで、以前も歯科医院で3年間歯科助手をしていました。
今後は更に知識を増やして、自分が行える業務の幅を広げ、医療業界で長く働きたいと考えております。
医療事務の仕事は、歳をとっても長く続けやすく、専門的なスキルも身につけられると感じ志望しました。
シンプルなパターンですが、ポイントは「長く続けたい」という部分。
筆者自身も、このような事を言って採用された経験があります。
採用する側からすれば、転職者に対して「すぐ辞めてしまう人じゃないか」は注意して確認したいところ。
なので、ずっと働く気あります!!アピールは結構有効だと感じます。
例2 レセプト等の「特定のスキルを伸ばしたい」場合
前職は歯科助手として、受付や会計、歯科医師のアシスタントなど幅広い業務を担当してきました。
様々な業務を経験する中で、より専門知識が必要な、レセプト業務のスキルを伸ばしたいと思うようになりました。
貴院では、医療事務員としてレセプト業務を中心に担当できるため志望しました。
例えば、分業制の病院の医事課に応募する場合などに有効です。
大きな病院などの場合、「受付担当」「レセプト担当」のように完全に担当が分かれていて、必要なポジションの募集のみ行うことがあります。
特定の仕事に専念したい場合に使えます。
例3 「特定の科」の医療事務を目指す場合
私は前職では歯科助手を経験しておりますが、
ホワイトニングや矯正などのカウンセリング業務に最もやり甲斐を感じてきました。
様々な患者様のお悩みを聞くうちに、もっと人の美に寄り添う仕事がしたいと思うようになりました。
貴院では丁寧なカウンセリングを徹底して、「美しくなりたい」という希望を叶えるためにスタッフ全員が努力していることを知りました。
私も、今までの経験で培ってきたコミュニケーション力を活かし、貴院の一員となって多くの患者様のお悩みに寄り添いたいと思っております。
上記は「美容皮膚科」に応募したい場合の一例です。
歯科での特定の仕事の経験から、「好き」や「やり甲斐」を引き出して、特定の科に応募するのもありですよね。
他の転職の選択肢
歯科助手からの転職の選択肢として選ばれやすい「医療事務」。
絶対に医療事務になりたい!というわけではなく、何となく「医療事務ならなれそうだから」と志望するケースもありますよね。
医療事務にこだわりがない場合は、他の仕事にも視野を広げてみるのもアリだと思います。
視野を広げて選択肢を増やす!探すときのポイント!
他の仕事なんて何が合うかわからないし・・・
自分の希望条件に合う仕事を探すの大変・・・
選択肢が広がると、今度は選ぶのが難しいというデメリットがあるのもわかります。
自分1人で探そうとすると難航するので、視野を広げたい場合は転職支援を使うのがポイントです。
正社員希望で探す場合
正社員希望で仕事を探したい場合は、以下に紹介するような多くの求人を保有している転職エージェントに登録するのがポイントです。
まだ、本当に転職するか決めてなくても登録して大丈夫です。
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転職エージェント | 特徴 | おすすめな人 |
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リクルートエージェント |
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doda |
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type女性の転職エージェント |
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複数登録してより多くの求人から探すのがおすすめですが、どれか1つというなら大手転職エージェントのリクルートエージェントあたりは登録しておきましょう。
エージェントさんとの相性が心配なら、転職エージェントナビで転職アドバイザーを通して探す方法もあります。
実際にキャリアアドバイザーと面談し、その中から自分にとって相性のいい担当者と一緒に転職活動を進めるのが、後悔のない転職への近道です。
ワークライフバランス重視派は派遣という選択肢も
「派遣社員」はワークライフバランス重視派の人、新たな仕事が本当に合うか不安な人のスタートとしては、検討の価値があります。
未経験職種で一般企業を受ける場合は、正社員だとハードルがあがりますが、派遣社員となると就職の難易度は各段に下がります。
派遣だとしても、スキルが認められる等、企業側に直雇用したいと思ってもらえれば、正社員に誘われる可能性もないわけではありません。
現に私も、お誘いを受けました。
また、派遣社員の場合、紹介予定派遣といって正社員になること前提の求人もあります。
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まとめ
- 歯科助手→医療事務の転職は有利に働きやすい
- 未経験でも応募は可能で採用可能性もある
- 人間関係が理由の場合同じ道を辿るかも
- 医療事務も歯科助手も仕事は大変
- 残業は増える可能性も
- 志望理由は前向きか?がポイント
- 他の職種を視野にいれるのもアリ
今回は、歯科助手から医療事務への転職は有利か、転職する際の注意点についてお伝えしました。
歯科の仕事って大変ですよね。
私も歯科で働いていた際は気疲れすることも、覚えることも多くて毎日必死でした。
当時は大変でしたが、学べることも多くて経験としてやってよかったなぁと思っています。
この記事を読んでいる方の状況は様々だと思います。
でも、今の経験は決して無駄ではないし、例え歯科助手を辞めても何かしらの糧にはなります。
少しでもお悩みが改善されますように・・・!