- 医療系の事務って、どんな仕事があるの?
- 医療事務以外にも選択肢ってある?
- 資格がないと働けないのかな?
そんな疑問を持っている人に向けて、この記事では医療系の事務職10種類をわかりやすく紹介します。
私も医療事務として働いていたけど、実際は“医療の裏側”を支える事務系の仕事は様々。
読み終えるころには、「自分に合いそうな医療系事務」がきっと見つかるはず。
資格選びや再就職の方向性を決めたい人にもおすすめの記事です。
現場で活躍する“病院・クリニック系”の事務職まとめ

医療の現場を直接支えるのが病院・クリニック系の事務職。
受付や会計、診療サポートなど、チーム医療の一員として活躍できる職種を紹介します。
医療事務
仕事内容
医療系の事務職といえば、まず思い浮かぶのがこの医療事務。
- 患者さんの予約や受付
- 電子カルテの確認・入力
- 患者負担額の確認・会計
- 診療項目・保険点数の確認、請求
患者対応とレセプト業務を中心に、医療現場の事務全般を支える仕事です。
勤務先の規模によって、仕事内容や範囲に差がでやすいのも特徴。
小さいクリニックは1人で複数の業務を幅広く担当、大きな病院は担当分けがされていることが一般的です。
求人の見つけやすさ
医療事務は全国的に求人数が多く、医療系事務職の中でもトップクラスの安定度です。
勤務先:内科・小児科・整形外科・耳鼻科・眼科・総合病院など
雇用形態:正社員・パート・派遣など幅広い
特徴:全国の病院やクリニックで安定して求人あり
医療機関の数が多い分、居住地を問わず“通いやすい場所で働ける”のも魅力なんです。
子育て世代やブランク明けでも復帰しやすい仕事といえますね。
求められる経験・適性・難しさ
未経験OKの求人も多く、医療業界の経験や接客経験があれば歓迎されやすいです。
保険制度のルールを覚えるまでは少し大変
業務はパターン化されているので慣れればスムーズ
数字や入力作業に抵抗がなければ始めやすい
レセプトと聞くと難しく感じますが、受付や予約など覚えやすい業務もあります。
指導社員がいるなど教育体制のしっかりした職場を選べば、簡単な仕事から着実にステップアップできますよ。
医師事務作業補助者
仕事内容
医師が行う業務範囲のうち、事務作業を担当します。
- 電子カルテの代行入力
- 診断書や紹介状などの文書作成補助
- 診療記録の整理やデータの作成
診療室・病棟・医局などに配属され、医師の事務作業を代行するのが役割です。
医療事務のようにレセプト(診療報酬請求)業務や窓口対応は基本的にありません。
患者対応よりも、医療チームの一員として動く仕事が多いのが特徴ですよ。
求人の見つけやすさ
求人は総合病院や大学病院などの大きな医療機関が中心です。
勤務先:総合病院・大学病院
雇用形態:正社員・パート・派遣など幅広い
特徴:全国の病院で求人が探せる
ただし、小さなクリニックでの募集は医療事務と比べると控えめ。
「病院勤務で専門的なサポートをしたい」という人に向いている職種ですよ。
求められる経験・適性・難しさ
未経験OKの求人が多く、入職後に研修やOJTを通じて少しずつ覚えていくのが一般的です。
医師の指示を正確に聞き取り、素早く文書にまとめられる
パソコン操作や入力作業が得意
医師や看護師へ気配りし、サポート役に徹せられる
「医師のペースに合わせて動く正確さ」と「医療用語への慣れ」が最初の壁になります。
医療秘書
仕事内容
医療秘書は“医師の身近なアシスタント”として動くイメージです。
- 医師や看護師のスケジュール調整
- 患者対応や医療スタッフ間の橋渡し役
- 診療内容の確認や予約調整
- 診療関連文書の作成や管理
仕事内容は医師事務作業補助者と重なる部分もありますが、秘書業務としての要素も含みます。
クリニック勤務の場合は、医療事務と兼任することがほとんどです。
求人の見つけやすさ
「医療秘書」という職種名での求人は実は少なめです。
ジョブメドレーやIndeedで検索しても、実際には医師事務作業補助者や医療事務の業務を兼ねたポジションとして募集されていることが多いんです。
勤務先:大学病院・総合病院・クリニック
雇用形態:正社員・派遣など
特徴:一部の医療機関のみ
求められる経験・適性・難しさ
医療秘書は、医療知識+ビジネスマナー+コミュニケーション力が必要な仕事です。
未経験OKの求人もありますが、秘書経験や医療関係職の経験があると採用で有利です。
医師のスケジュール管理や資料作成ができる
来客・電話対応もスムーズにこなせる
気配りができる
先回りして動ける
人との調整が得意
「医師が何を必要としているかを先読みして動く力」がポイント。
指示を待つだけでなく、自分で判断して動く場面も多いので、落ち着いた対応と柔軟な思考が欠かせません。
高いレベルを求める職場だと、院長秘書として経営判断に必要な資料の提供など、組織運営の“参謀役”的ポジションとして活躍できます。
診療情報管理士
仕事内容
診療情報管理士は、病院で扱う“データ管理・分析のプロ”。
患者さんの治療経過や検査記録などを正確に管理・分析するのが役割です。
- 入院医療費計算(DPC)
- 診療記録(カルテ)の内容をコード化・データ化
- 医療統計や行政への報告資料作成
- カルテの開示・保存・情報管理ルールの運用
医療データは、治療方針決定の裏付けに使われたり、経営改善の根拠となることも。
現場で患者さんと接することは少なくても、間接的に治療や病院を支えているんです。
求人の見つけやすさ
求人は総合病院や大学病院などの大きな医療機関が中心。
勤務先:大学病院・総合病院
雇用形態:正社員中心
特徴:都市部では安定的、地方ではやや少なめ
求められる経験・適性・難しさ
診療情報管理士は、医療+情報処理の専門知識を活かして、カルテや診療データを管理・分析する仕事です。
医療事務として経験を積んでから目指す人も多く、実務経験があるとスムーズに馴染めます。
カルテの内容を正確に読み取って、整理・入力できる
ミスを防ぐ集中力と正確さがある
Excelなどパソコン操作に慣れている
医療事務より覚える範囲は広く、医学用語や統計の知識も必要です。
難しさのポイントは、大量の診療情報を間違いなく扱う責任の重さ。
医師や他の専門職に間違いを指摘したり、修正をお願いしたりする場面も多いので、人との関係をうまく保つスキルがあると◎。
地域連携実務者
仕事内容
地域連携実務者は、病院と地域の医療機関・介護施設をつなぐ“調整役”です。
地域医療連携室や入退院支援センターなどで、以下のような業務を担当します。
- 紹介患者の予約・受付・ご案内
- 紹介状や返書の管理、病院内のデータ管理
- 近隣の医療機関や施設との連携
- 他の医療機関/施設への訪問など広報活動
「医療の橋渡しを事務の立場から支える」ポジションで、現場の信頼関係づくりが大切になります。
職場によって業務内容は差があり、営業的な業務も含むことも。
応募の際は、業務範囲をよく確認しましょう。
求人の見つけやすさ
求人は、地域医療連携室の設置がある病院での募集がメイン。
勤務先:総合病院・大学病院・地域医療支援病院
雇用形態:正社員・派遣など
特徴:連携室のある病院に限定
地域医療構想の推進で今後もニーズは安定的。
ただし、小規模クリニックではポジション自体がないケースも多いです。
求められる経験・適性・難しさ
地域連携実務者は、医療知識に加えて調整力やコミュニケーション力が大事な仕事です。
未経験でも挑戦できる求人はありますが、病院での勤務経験があると安心です。
相手の状況を読みながら段取りを組める
話を聞きつつ情報を整理できる
チームや部署間の調整が得意
ポイントは、外部とのコミュニケーションも多いこと。
段取りを考えて、情報整理をする能力が必要になります。
健診センター事務
仕事内容
健診センター事務は、健康診断や人間ドックの受付・案内・事務処理を担当する仕事です。
- 受付、会計
- 健診フロアの誘導
- 健診票や書類の準備・確認
- 検査結果の入力や管理
- 結果報告書の作成・発送
健診業務は決まった時間に集中して進むため、流れ作業のようにスムーズに進めることが求められます。
患者さん1人にかける時間は短めですが、正確な書類処理やスケジュール管理が大切です。
求人の見つけやすさ
勤務先は、病院に併設された健康管理センター、健診・人間ドック専門の施設など。
医療機関だけでなく、企業や自治体が運営する施設など多岐にわたります。
勤務先:健診センター、病院附属健診部門、企業健診施設など
雇用形態:正社員・契約社員・パート・派遣
特徴:都市部の求人が中心
求められる経験・適性・難しさ
シンプルで覚えやすい業務が多く、未経験からでもスタートしやすい職種です。
スピード感を持ってテキパキ対応できる
ルール通りに正確に作業できる
丁寧かつ迅速な接客応対ができる
業務自体は複雑ではありませんが、書類やシステムの扱いミスはNG。
ピーク時は受付が込み合うこともありますが、落ち着いてミスなく、素早くさばける要領の良さがポイントです。
医療を支える“運営・サポート系”の事務職まとめ

現場とは少し離れたところで医療を支えるのが、「運営・サポート系」の事務職。
スタッフの勤怠や経理、請求処理、外部機関との調整など、“医療を動かす裏方”として活躍します。
医療法人や訪問看護ステーション、医療機器メーカーなど、働く場所によって関わり方もさまざまです。
訪問看護ステーション事務
仕事内容
訪問看護ステーションで、看護師の訪問スケジュール管理や請求事務などを行う仕事です。
- 電話・来客対応、利用者情報の入力
- 訪問スケジュールの調整、記録管理
- レセプト(医療・介護保険)の請求業務
- 書類整理、行政・他事業所とのやり取り
看護師のサポート役として、利用者・家族・ケアマネなど多職種とのやり取りが多いのが特徴。
事務所内での事務処理や請求作業が中心で、対面での窓口対応は基本ありません。
求人の見つけやすさ
訪問看護ステーションはここ数年で急増しており、事務員の採用ニーズも拡大中。
勤務先:訪問看護ステーション、在宅医療クリニック、地域包括支援センターなど
雇用形態:正社員・パートが中心
特徴:地域密着・少人数体制で、看護師との連携が密
病院に比べると規模は小さめで、他の医療スタッフとも距離が近く、コミュニケーションは取りやすい環境であることが多いようです。
求められる経験・適性・難しさ
未経験OKの求人もありますが、医療事務・介護事務・一般事務の経験があると有利です。
レセプト業務や介護報酬請求があるため、スピードと正確さの両立がポイント。
相手の状況を読み取りながら段取りを組める
入力や請求業務を正確にこなせる
チームのサポート役として動ける
少数精鋭で、幅広い業務を担当できるポテンシャルがあると活躍できます。
看護師や利用者、その家族・施設とのコミュニケーションも多め。
診療保険請求事務
仕事内容
病院やクリニックに代わって、レセプト(診療報酬明細書)の点検・請求を行います。
医療機関の「請求業務だけ」を請け負う、外部の代行会社で働くケースが多いです。
- レセプト内容の点検
- 不備・返戻の確認
- 再請求の手続き
電話対応や医療機関とのやり取りもありますが、デスクワーク中心のコツコツ系の仕事です。
求人の見つけやすさ
勤務先は、レセプト代行会社や医療事務のアウトソーシング企業が中心。
病院やクリニックと直接関わるケースもあれば、在宅勤務で請求業務を行うケースもあります。
勤務先:レセプト代行会社、医療事務受託企業、クリニックの請求担当部署
雇用形態:正社員・パート・業務委託・派遣
特徴:都市部中心、在宅・フルリモート案件もあり
求められる経験・適性・難しさ
レセプトの仕組みや診療報酬ルールの理解が必要なため、未経験からの参入は難しめ。
細かい作業や数字のチェックが得意
算定業務の経験がある
電子カルテや医事コンピューターの基本操作に慣れている
といった人に向いています。
医療法人の一般事務(経理・総務)
仕事内容
医療法人の運営を支えるバックオフィス業務です。
病院やクリニックで働くスタッフを“裏側から支える”のが主な役割。
- 総務:備品管理・契約書関係などの組織運営サポート
- 経理:仕訳入力・請求処理・支払い管理など、お金の流れを管理
- 人事:採用活動・教育研修・人事評価
- 労務:給与計算・勤怠管理・安全管理・社会保険管理
一般企業の事務と似てますが、医療法人は少人数で回していることが多く、いろんな仕事を幅広く経験できるのも面白いところです。
求人の見つけやすさ
勤務先は、医療法人の本部やクリニックを内の事務局など。
バックオフィス専任で働く人がいるところもあります。
勤務先:医療法人本部、クリニック併設の事務局、福祉法人グループなど
雇用形態:正社員・契約社員中心
特徴:都市部・郊外どちらもあり
全国的には求人がありますが、少人数しか募集していないことが多いので、、募集人数は限定的です。
特に医療経験や企業での事務経験があると、採用されるチャンスはぐっと高くなります。
求められる経験・適性・難しさ
未経験でもチャレンジできる求人はありますが、少しでも経験があると安心です。
論理的に考えるのが得意
スケジュール管理に慣れている
社員や外部機関と円滑にコミュニケーションできる
マニュアルがあまり整っていないことも多く、業務の進め方を自分で考えて動ける人に向いています。
医療機器メーカー事務
仕事内容
医療事務のように現場で患者さんと関わる仕事ではなく、企業の一般事務的ポジションです。
医療機器メーカーや販売会社で、営業スタッフや技術スタッフをサポートするのが主な役割。
- 注文書や納品書の作成・管理
- 顧客や取引先との電話・メール対応
- 製品データや在庫の管理
- 営業・技術スタッフのサポート全般
求人の見つけやすさ
勤務先は、医療機器メーカーの本社や支店、販売代理店など。
勤務先:医療機器メーカー、ディーラー
雇用形態:正社員・契約社員中心
特徴:全国的に求人はあるが、都市部が中心
人気の「企業 × 事務職」の組み合わせなので、競争率はやや高め。
求められる経験・適性・難しさ
医療機器の専門知識は入社後に学ぶケースが多く、未経験でも挑戦は可能。
ただし、複数のタスクを並行したり、データを扱う場面も多いので、スケジュール管理力やPCスキルは大事です。
書類作成やデータ入力など、事務作業が得意
電話やメールでスムーズにやり取りできる
ExcelなどのPC操作に慣れている
社内外の人と調整しながら進められる
患者対応はないので、医療の“現場感”はありません。
日々の業務が淡々と感じることもあり、「医療現場で人と関わりたい」というタイプだと、少しギャップを感じやすいかも。
目的別!医療に関わる事務系職

人によって理想の働き方って違いますよね。
ここでは、目的ごとに医療系の事務職を分けて紹介していきます!
未経験のハードル低めがいい
医療事務/医師事務作業補助者/医療機器メーカー事務
未経験から医療系事務に挑戦したいなら、この3職種が入りやすいです。
どれも特別な経験や知識なしでスタートできる仕事です。
内定のハードルは年齢層によって少し変わります。
20代〜30代前半:
「医療機器メーカー事務」がおすすめ。
オフィスワーク経験も積めて、一般事務に近い環境で働けます。
30代半ば〜40代以降:
ブランク明けや主婦層には「医療事務」「医師事務作業補助者」が人気。
採用の間口が広く、地域のクリニックなど家庭との両立がしやすい職場も多め。
30代半ば以降で「企業で働きたい!」という人は、社員採用はやや狭き門。
家の近くで働きたい
医療事務/訪問看護ステーション事務
家の近くで働きたい人には「医療事務」や「訪問看護ステーション事務」がぴったり。
クリニックや訪問看護ステーションは、地域に根ざした職場が多いのが特徴。
近所のクリニック勤務なら、自転車圏内やお昼に一度帰宅できるような働き方も叶います。
「通勤のしやすさ」や「家庭との両立」を重視する人に人気です。
同じく、「調剤薬局事務」も近所で見つけやすい職種です。
大きな病院で働きたい
医師事務作業補助者/診療情報管理士/地域連携実務者
病院勤務にこだわるのであれば、「医師事務作業補助者」「診療情報管理士」「地域連携実務者」も検討してみましょう。
公的病院や総合病院など、大きな病院での勤務が中心です。
「病院勤務の醍醐味」はキャリアの“横の広がり”があること。
たとえば最初は医師事務として診療補助をしていても、
数年後に診療情報管理や地域連携のポジションに興味が出たら、
同じ病院内で異動してキャリアチェンジできるチャンスがあります。
在宅で働きたい
医療保険請求事務(レセプト点検)
医療事務のスキルを活かして、在宅でレセプト点検を行う働き方もあります。
ただし、一人でレセプト点検を進められるレベルは最低限必要。
まずは医療機関や請求代行会社などで実務経験を積み、
流れを理解してから在宅案件に挑戦するのが現実的なステップです。
特に最近は、訪問診療のレセプト経験者を歓迎する求人をよく見かけます。
シンプルで早く覚えられる仕事がいい
健診センター事務
健診センター事務は、仕事内容が比較的シンプルで覚えやすいのが特徴です。
予約受付や健診結果の入力、会計など、決まったフローで進む業務が中心。
レセプトなどの細かい処理よりも接客がメインです。
1日100人以上を対応する日もありますが、ルールやフローを押さえておけば、スムーズにこなせます。
潰しの効くスキル・経験が欲しい
医療法人事務 / 医療機器メーカー事務
「医療業界で働きたいけど、この先ずっと現場でやっていくのは違うかも…」
そんな人には、“汎用性のあるスキル”を身につけられる仕事も検討してみましょう。
たとえば、医療法人の総務や経理、医療機器メーカーの一般事務など。
どちらも医療に関わりながら、企業事務としての経験を積むことができます。
実はここが大きなポイント。
たとえ医療業界から離れたくなっても、「経理・総務・一般事務」の経験があれば、一般企業への転職にもつながりやすいんです。
医療に関わる事務職は、“長く働ける選択肢”のひとつ
この記事では、医療系の事務職の種類や仕事内容について解説しました。
医療に関わる事務職は、患者対応系からデータ管理、医療従事者のサポート系までさまざま。
「ブランクがあるけどまた働きたい」「手に職をつけたい」
そんな人こそ、医療系の事務職はチャンスが多い分野です。
小さな一歩からでも、きっと自分らしく働ける道が見つかりますよ。


