こんな悩みを解決できる記事になっています!
記事の前半では、未経験者なら取るべき事務系資格の紹介、後半では最低限ないと困るスキルについてお伝えします。
事務系の資格ってそもそも取るべき?
専門的なスキルは必要ない仕事も多いので、資格がなくても充分働けます。
ですが、パソコンができない人・ビジネスの基礎知識がない人は取ったほうがいいでしょう。
事務職はとても人気が高い職種です。
「経験不足を補う」最低限の知識を証明できないと、選考に残るのが厳しいからです。
資格を取ることで、以下のようなメリットも。
- 実務の助けになる
- 応募できる求人が増える
- 採用時の足切りを防げる可能性がある
オフィスワーク未経験なら取るべき事務系資格3選
結論、おすすめなのはMOS・簿記・ITパスポートの3つです。
「公認会計士」や「税理士」のような資格を取れば最高ですが
勉強に数年かかってしまいます。
それでは困る人も多いと思うので、今回は以下の条件をクリアした資格だけに絞りました。
- 事務系職に役立つ
- 知識ゼロの未経験者でも挑戦しやすい
- 半年以内の取得が現実的に可能
- 知名度が高く転職でアピールしやすい
MOS・簿記・ITパスポートは、知識ゼロでも勉強すれば半年以内に資格取得が現実的です。
自分がどの資格を取るべきかは、次を参考にしてください!
MOS・簿記・Iパスおすすめな人比較
面接官は事務未経験の人が応募してきたとき、こんな不安を持ちます。
- パソコンはどの程度使えるの?
- ITリテラシーはある?
- 社会人の常識は持ってるよね?
新卒でもない限り、パソコンやビジネスの常識は知っているのが最低条件とされます。
最低限の壁を「問題なさそう!」と判断されて、はじめて選考に残ります。
事務職につくために「問題なさそう!」と思ってもらうための資格がMOS・簿記・Iパスの3つなわけです。
パソコンができない人はMOSで最低限のスキル証明!
事務系が未経験の人におすすめの資格1つ目はMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)です。
事務の仕事では必ずと言っていい程パソコンを使用します。
MOSを持っていれば、ワードやエクセルが使える人と評価してもらいやすくなります。
最低限のパソコンスキルの証明にもなります。
パソコンスキルが不安な人ほど、勉強して損はない資格です。
MOS試験の概要!合格率や勉強時間は?
MOS試験の概要はこちら。
一般 | 上級 | |
---|---|---|
実施時期 | ほぼ毎日(一斉試験は月1) | |
試験時間 | 50分 | |
試験費用 | 10,780円(税込み) | 12,980円(税込み) |
試験形式 | 実技(パソコン操作) | |
在宅受験 | 不可 | |
合格基準 | 700点以上/1000点満点中 | |
合格率 | 80%前後 | 60%前後 |
勉強期間 | 1~2ヵ月 | 2~3ヵ月 |
合格率は公式には非公開ですが、一般レベルで80%くらいと言われています。
普段パソコンを使わない人でも、1〜2ヶ月で事務職に活かせるスキルが手に入ります。
『全国一斉試験』と『随時試験』の2つの受験方法がありますが、試験内容や受験料は一緒です。
MOSの「レベル」「バージョン」はどれを選んだらいいの?
MOSとは、オフィスソフト(ワードやエクセル)の操作スキルを証明するための資格です。
以下の5科目があり、それぞれレベルやバージョンを選んで受験します。
種類 | できること | 試験のレベル | バージョン |
---|---|---|---|
Word(ワード) | ビジネス文書作成 | 一般/上級 | 365/2019/2016 |
Excel(エクセル) | 表やグラフ作成・データ集計 | 一般/上級 | 365/2019/2016 |
PowerPoint(パワーポイント) | スライド資料作成 | 一般のみ | 365/2019/2016 |
Access(アクセス) | データベース管理 | 一般/上級 | 2016(一般)/2019(上級) |
Outlook(アウトルック) | メール作成や連絡先管理 | 一般のみ | 2019/2016 |
バージョンは、使用するオフィスソフトのバージョンに合わせて選べるようになっています。
特にこだわりがない場合は、最新版の365を受験すればOKです。
レベルもまずは、一般レベルをクリアしましょう。
一般レベルを持っていれば、面接官にも「基本的なスキルを持っている」と安心感を与えられます。
一般レベル | 上級レベル | |
---|---|---|
Exce l | ・シートやブックの管理 ・セルのデータの管理 ・テーブルの作成、変更、管理 ・数式や関数の使用 ・グラフの作成、変更 |
・ブックのオプションと設定の管理 ・データ管理、書式設定 ・高度な機能を使った数式、グラフ、テーブル管理 ・マクロ設定 ・トラブルシューティング |
Word | ・文書の管理 ・文字、段落、セクションの挿入と書式設定 ・表やリストの作成、変更 ・参考資料の作成 ・グラフィック挿入 ・共同作業管理 |
・文書のオプションと設定の管理 ・高度な編集や設定 ・ユーザー設定のドキュメント要素の作成 ・高度なWord機能の利用 |
MOSの中でどの科目を受験すべき?
MOSの中でどれを受けるか迷う場合、Excelから勉強しましょう。
なぜなら、Excelはほぼすべての企業が使っているからです。
事務は何かと、Excelベースの「一覧」や「資料」などの入力や作成をお願いされます。
事務として働きたいなら必須といえます。
会社によってはWordやPowerPointもよく使いますが
Excelがだいたい使えるようになれば、感覚的にWordやPowerPointも使えるようになります。
まずはExcelで基礎を身に付けるのを優先して問題ありません。
応募できる求人を増やしたい!日商簿記
事務未経験者におすすめな資格は2つ目は日商簿記です。
簿記の知識が必要な事務職の代表といえば「経理事務」。
経理はどの会社でも必要な職種なので、常に需要があります。
実務が未経験でも、簿記の資格を持っていれば応募OKな企業も。
そもそも簿記って何?
簿記とは、会社が日々行う商品の販売や、電気代の支払いなどの活動を帳簿に記録するための方法です。
簡単に言えば、会社のお金の流れを管理することです。
-
1年にどれだけお金が入り、どれだけ使ったか
-
資金をどう調達し、どのように使っているか
-
お金がどれだけ残っているか
日々記録し、整理・計算して1年ごとに会社の経営成績や状況を明らかにするのが目的です。
簿記の合格率や勉強時間は?試験の概要
日商簿記2級・3級試験の概要はこちら。
2級 | 3級 | |
---|---|---|
実施時期 | 年3回(ネット試験は毎月実施) | |
試験時間 | 90分 | 60分 |
試験費用 | 5,500円(税込) | 3,300円(税込) |
試験形式 | ペーパーまたはネット | |
在宅受験 | 不可 | |
合格基準 | 100点満点中70点 | |
合格率 | 20%前後 | 40%前後 |
勉強期間 | 4~6ヵ月 | 1~3ヵ月 |
簿記試験は試験費用が良心的なのが、有難いですね。
ネット試験はテストセンターでの試験になります。
日商簿記は何級を取ったらいいの?
簿記の試験は原価計算初級~1級までの5つのレベルに分かれています。
- 最低限の会計知識の証明→3級
- 経理実務に活かせる知識→2級
- スペシャリスト→1級
1級はかなり難易度が高く、3年以上勉強する人もいます。
逆に3級より下は知名度が低いので、お金を払ってまで取らなくてよいでしょう。
簿記2級がおすすめな人
-
3級の内容がわかる人
-
実務レベルの知識をアピールしたい人
-
中小の経理事務に転職したい人
簿記2級は企業から好評。
一気に応募できる求人の幅が広がります。
2級の内容は3級の基礎知識がベースになります。
簿記3級がおすすめな人
-
会計の知識ゼロの人
-
ビジネスの一般常識が欲しい人
-
経理の仕事が向いてるか知りたい
転職には2級じゃないと意味ないとも言われがちですが、そうでもありません。
簿記3級を持っていれば、未経験でも応募OKな企業もあります。
IT&ビジネスの基礎知識がつく!ITパスポート
未経験者におすすめな事務系の資格3つ目はITパスポートです。
ITパスポートとは、ITの基礎知識を証明するための国家資格です。
- 日常業務に必要なIT基礎知識
- ビジネスに関わる基礎知識
事務職であっても、IT知識はあって当たり前な時代です。
ITの知識が全くないと、情報漏洩やウイルス感染により会社に損害を与えてしまう可能性があります。
IT基礎知識以外にも、経営に関わる基礎知識も含まれます。
会社で働く上での一般常識は理解していることのアピールになります。
ITパスポートの合格率や勉強時間は?試験の概要
ITパスポート試験の概要はこちら。
実施時期 | 毎日 |
---|---|
試験時間 | 120分 |
試験費用 | 7500円(税込) |
試験形式 | 四択(PC上で回答) |
在宅受験 | 不可 |
合格基準 | 総合評価点600/1000点 |
合格率 | 50%前後 |
勉強期間 | 3~4ヵ月 |
勉強期間については、ITやビジネスの基礎知識がどの程度あるかにより変わります。
その時の勉強方法はこちらの記事に。
ITパスポートが特におすすめな人
- ビジネス、ITの基礎知識がない人
- ITサポート事務希望
- 総務事務希望の人
ITパスポートは、ITを利用する全ての社会人におすすめの資格とされています。
企業の総務事務のように、会社の経営・運営を支えるバックオフィス系を目指したい人には特におすすめできます。
ただ、勉強することで実務的なスキルが身につく資格ではありません。
もっと実務に直結するスキルを求めるなら、「MOS」や「簿記」がよいでしょう。
事務未経験OKに応募する最低限のレベル
記事の前半では資格の紹介をしましたが
事務職ならできないと絶対困る、本当に最低限のレベルについてお話します。
-
パソコンの基本操作
-
電話の取次ぎ
-
ビジネスメール
この3つは最低限出来ないと、事務の仕事はかなり厳しくなってしまいます。
パソコンの基本的な操作って具体的にどのレベル?
事務職につきたいなら必須なのがパソコン基本操作。
パソコン操作をレベル分けすると、こんな感じです。
- パソコンの電源ON・OFFができる
- アプリケーションの起動ができる
- マウスが使える(クリック、右クリック、ダブルクリックがわかる)
- 両手でキーボードの文字入力ができる
- ファイルやフォルダの新規作成、保存、移動ができる
- メールの送受信ができる(添付ファイルの付け方やCC、BCCの違いがわかる)
ギリギリ、パソコン使えると言えるレベル。
一部の業務は対応可能。
タイピングは1分に100文字くらいは打てるようにしたいところ。
タイピング速度チェックや練習ができるサイト→マイタイピング
- Excelの基本操作(入力、簡単な表作成、SUM関数わかる)
- Wordの基本操作(文書作成し、印刷までできる)
- ショートカットキーがわかる(コピー&ペーストなど)
求人の「パソコンの基本操作」はこのくらいのレベルを差すことが多いです。(なのでMOSが有効)
上のレベル1〜3は全て事務職としては超超超入門です。
わからないまま事務員になると、泣きを見ることになるかもしれません・・・
電話対応も事務職必須
事務員が電話対応をする会社は多いです。
特に新人のうちは任されやすい仕事のひとつ。
一次受け(取次ぎ)が出来るのが最低レベルです。
- 電話が鳴ったらすぐ出る
- 丁寧な言葉遣いで対応
- 必要に応じてメモ
- 担当者へ取り次ぎ
社会人経験はあっても、対企業の電話対応は初めてというパターンもありますよね。
ビジネスメールの基本って?
意外と教えてもらえなくて困るのがビジネスメールの基本。
一般的なビジネスメールの基本は以下のとおり。
- 宛先(To、Cc、Bcc)を正しく使い分ける
- 件名は要件が一目でわかるようにする
- 添付ファイルの取り扱いに注意する
- 本文の最初に宛名を書く
- 挨拶&名乗りを入れる
- 要件を簡潔に伝える
- 結びの挨拶で締める
- 必ず署名を付ける
こちらも「意味がわからない」という人は、ビジネスメール×マナーで検索しておきましょう。
まとめ:MOS・簿記・ITパスで事務職のスタート地点に立てる
事務未経験者が取るべきなのは、MOS・簿記・ITパスポートです。
理由は、経験不足を補う「最低限の知識証明」になるから。
- MOS→パソコンできない人は特に優先
- 簿記→応募できる求人増やしたい人
- ITパスポート→ビジネス&IT基礎を補いたい人
正直、今回紹介した資格を取っても転職に有利になるとまではいえません。
ただ、少なくてもやる気のアピールにはなります。
資格をうまく活かして、未経験から事務職につくためのスタート地点に立ちましょう!