- 診療科ごとに仕事内容って変わるの?
- お給料の高い診療科ってあるの?
- スキルに自信がなくてもチャレンジしやすいのは?
歯科衛生士として数年働くと、転職を考える人が増えますよね。
漠然と将来が不安・・・
そんな人におすすめなのが、興味のある診療科をみつけることです。
特定の診療科の知識やスキルを伸ばせれば、自分の「強み」を作ることができます。
- スキルや知識的に将来が不安→専門知識をつければ自信になる
- お給料が上がらないのが悩み→強みをつくれば交渉材料になる
- 今の職場の仕事内容が合わない→他の診療科ならマッチする可能性
転職するなら、自分に合う診療科で働きたい!そんな歯科衛生士さんは是非読んでみてください。
そもそも歯科の診療科って何?
歯科が標榜できる診療科は「歯科」「矯正歯科」「小児歯科」「口腔外科」の4つです。
その他、求人や歯科のホームページでは「審美」「インプラント」「訪問」など、より細かい診療科が記載されていることもあります。
就職する歯科医院の診療科によって、身につくスキルや知識は変わります。
求人を見る時に、その医院の得意とする診療科にも意識を向けることが大切です。
診療科別!歯科衛生士の仕事内容と特徴
歯科医院と一口に言っても、診療科が変われば仕事内容も変化します。
一般的な歯科衛生士業務に加えて、診療科ごとに必要な業務も行うイメージです。
1つの診療科に特化しているのか、複数の診療科を手がけるのかによっても仕事内容は変わります。
矯正歯科
矯正歯科では、歯並びや噛み合わせを改善する治療を行います。
主な治療の目的は、審美的な改善・健康の向上・顎の発育の促進など。
マウスピース矯正のように手軽な治療方法も選べるようになり、矯正を受ける患者さん自体が増加傾向です。
矯正歯科で技術を磨けば、将来的にも活躍の場が広がります。
向いているタイプ
- 歯科矯正に興味があり、勉強熱心な人
- 患者さんのニーズに合わせたコミュニケーションがとれる人
- 小児の対応が上手な人
- 接遇スキルが高い人
- 専門性の高いスキルを身についけたい人
矯正歯科での主な仕事内容
- 矯正のカウンセリングや説明
- 矯正に向けた精密検査や検査補助
- 矯正治療の施術の一部
- MFT(口腔筋機能療法)の指導
- 矯正経過観察の資料作り
- TBIやクリーニング
- 診療補助
矯正歯科のリアルな仕事内容やメリット・デメリットは以下の記事で紹介しています。
小児歯科
小児歯科とは、小児の患者さんを診る歯科の診療科です。
小児とは、赤ちゃん〜12歳頃(永久歯が生え揃う)までとする医院が一般的ですが、厳密な年齢制限はありません。
小児歯科の診療内容的な特徴は、予防や小児の矯正に力を入れていることです。
向いているタイプ
- 子どもと接することが好き
- 予防・矯正・教育に興味がある
- 観察力があり、こまやかな気配りができる
- スピード感ある施術が得意
- 時には厳しく指導できる強さがある
- 賑やかな環境で働きたい
小児歯科での主な仕事内容
- 虫歯の予防処置
- TBIや食生活指導
- 小児治療の診療補助
- 小児の定期健診対応
- 保育園や幼稚園での活動
- 小児矯正治療の補助
小児歯科の具体的な仕事内容やメリット・デメリットは以下の記事で紹介しています。
審美歯科
審美歯科とは、機能面+見た目を両方重要視した治療のことです。
悪い所を治すだけでなく、治療の仕上がりに細かい要望のある患者さんが来院します。
近年、患者さんの審美的ニーズや美容に対する意識は高まっています。
ホワイトニングなど、審美的治療メニューに対応できる歯科衛生士の将来性も高いといえます。
向いているタイプ
- 一般的な歯科の知識やスキルがある
- 患者さんへの細やかな配慮が得意
- 美への興味や美的感覚への理解力がある
- 専門的なスキルや知識を極めたい
- 勉強熱心で向上心が高い
審美歯科での主な仕事内容
- ホワイトニング施術
- クリーニング(PMTC)
- 自費治療の診療補助
- カウンセリング
- 口腔ケア指導
- デンタルエステ施術
審美歯科について、一般歯科との違いや働くメリットとデメリットは以下の記事で紹介しています。
訪問歯科
訪問歯科診療とは、歯科医師や歯科衛生士が患者さんの個人宅や施設を訪問し、歯科診療をおこなうサービスのことです。
訪問歯科の患者さんは、高齢者や身体的に制限がある方が対象となります。
条件を満たせば、歯科衛生士が単独で患者さんの家を訪問することも可能です。
そのため、主体となって活躍しやすい特徴もあります。
向いているタイプ
- 雑談ができて愛想が良い
- 説明が得意
- 聞き上手
- 柔軟性がある
- 共感力が高い
- 新しいことを学ぶ意欲がある
訪問歯科での主な仕事内容
- 口腔ケア
- 摂食嚥下のリハビリ
- 口腔衛生指導
- 治療のアシスト
訪問歯科で働く歯科衛生士の向き・不向きについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
口腔外科
口腔外科では、切除や切開・縫合・移植・形態修正などの「外科的処置」を伴う治療が多くなります。
先天性疾患から外傷の処置など扱う範囲も幅広く、医科分野との連携が必須となることも。
入院が必要な症例や難症例は、大学病院の口腔外科での治療が一般的です。
一方、「インプラント」は一般的なクリニックで治療することも多く、歯科衛生士も活躍しやすい分野といえます。
向いているタイプ
- 新しいことを学びたい人
- アシストが好きな人
- 責任感が強い人
- 説明が上手な人
- 気配り上手で接遇力が高い人
口腔外科での主な仕事内容
- 手術前後の口腔管理
- 検査補助や資料採得・まとめ
- 手術や処置の診療補助
- 患者さんへの説明やサポート
一般歯科との違いや口腔外科で働くメリット・デメリットは以下の記事で解説しています。
病院の歯科衛生士に興味がある方は、以下の記事もおすすめです。
お給料が高い診療科はある?
結論、特別にお給料が高い診療科はありません。
お給料は、歯科医院の規模や立地による差のほうがつきやすいといえます。
敢えて稼ぎやすい分野をあげるなら
矯正・審美・インプラントです。
自費診療に積極的な歯科医院のほうが、利益が安定しやすいからです。
経営に余裕があれば、売上に応じてインセンティブやボーナスを支給してくれる医院も。
スキルに自信がなくてもチャレンジしやすい分野は?
小児歯科や訪問歯科は、スキルに自信がなくてもチャレンジしやすいといえます。
対象となるのが子供や介護状態の高齢者なので、バリバリにSRPをする機会は多くありません。
コミュニケーション力や対応力のほうが重要視されやすいでしょう。
経験が浅いうちから専門医院に就職して大丈夫?
新卒や経験の浅いうちは、審美専門など専門医院への就職はおすすめしません。
専門医院のデメリットは、一般的な虫歯や歯周病の知識・施術スキルを伸ばしにくいこと。
「合わなかった」場合も考えて、まずは一般的な衛生士業務を身につけるのが安全です。
おすすめは、得意分野があり、一般的な保険診療にも対応している歯科医院。
求人を探す際には、歯科医院の特色や在籍する歯科医師の得意な治療にも着目してみましょう。
強みのある歯科衛生士は将来性が高い!
興味のある診療科は見つかりましたでしょうか。
一つでも専門分野を経験し、強みを作ればメリットはたくさん。
- 専門知識をつければ自信になる
- 経験をアピールできて転職も有利に進めやすい
- お給料UPの交渉材料になる
自分の強みを言える歯科衛生士は、職場でも活躍しやすく将来性が高いといえます。
今後のキャリアを見越して、一般歯科以外の診療科で働いてみるのも良いでしょう。