「社保」とか「国保」とか「歯科医師国」とか!そもそも何が違うの?
一番いいのは「社保」と言われるんだけど、なんでだろう?
この記事では社保が良いと言われる理由や、歯科の求人の社保完備について詳しくお話していきます。
歯科助手さん・受付さん・歯科衛生士さん・歯科技工士さん・雇われている歯科医師の皆さんが後悔しないために、知っておいて欲しい内容をまとめました。
この記事を読むと、「自分はどの社会保険が得なのか」明らかにできますよ。
社保・国保・歯科医師国保のメリットデメリット比較!
社保・国保・歯科医師国保のメリットデメリットを比較するとこちら。

こう見ると、世間で言われる通り社保が無難によいのがわかります。
もう少し具体的に、社保のメリットを見ていきましょう。
社保がいいって聞くけど何で?メリットとデメリット
社保には、以下のようなメリットがあります。
- 将来もらえる年金が約2倍になる
- 保険料を会社が半分払ってくれる
- 出産で働けない時にお金が貰える
- 病気やケガで働けない時にお金が貰える
- 養う人の保険料を無料にできる
これは全部、国保にはないメリット。
社保のデメリットは特にありません。
強いて言うなら、給与から保険料が天引きされるため、手取り額が減少することです。
ここで言う「社保」は健康保険と厚生年金のことです。
【メリット1】社保なら将来の年金が2倍に増える
「将来もらえる年金が増える」のが、社保の大きなメリットです。
国保の場合と比べた時のイメージはこちら。
※令和7年現在※金額は毎月
※例は22歳~60歳まで38年加入、年収350万だった場合
※参考 厚生年金保険料率および協会けんぽ管掌の健康保険料率
上の例で見ると、国保(国民年金)だと将来もらえる年金は毎月64,800円。
社保(厚生年金)なら、毎月132,000円もらえます。
たぶん、2倍近く差が出ます。この差はけっこう大きいですよね。
【メリット2】社保なら会社が保険料を半分払ってくれる

社保の保険料は、会社と従業員で半分ずつ負担します。
例えば、毎月1万円の保険料がかかった場合
会社: 5,000円負担
従業員: 5,000円負担
会社が半分負担してくれるから、自分の支払う金額が軽くなります。
【メリット3】社保なら出産で働けない時にお金が貰える

出産を控えた女性が仕事を休んだときも、一定期間お金がもらえます。
これを「出産手当金」と言います。
もらえる期間は原則的に出産予定日の42日前から出産後56日目までの98日間。
支給額の目安は、給料(月給)の3分の2くらいです。
【メリット4】社保なら病気やケガで働けない時にお金が貰える

もし病気・ケガ・メンタル不調でしばらく仕事を休むことになったら、健康保険からお金が支給されます。
これを「傷病手当金」と言います。
支給額の目安は、給料(月給)の3分の2くらいです。
私もコロナでしばらく仕事に出れなかった時に、申請して貰ったことがあります。
【メリット5】社保なら養う人の保険料を無料にできる

社会保険に入ると、養っている家族(働いてない子どもなど)の保険料を無料にできます。
「扶養家族」という制度です。
扶養家族がいるからといって、自分の保険料が高くなることはありません。
子ども以外にも、収入の少ない親や配偶者を「扶養」することもできます。
社保にデメリットはないの?
社保にデメリットはありません。
強いて言うなら、給料から保険料が引かれるので手取りが減ることです。
ただ、将来もらえる年金が増えることを考えると、損とはいえないと思います。
(未来のことは誰にもわからない・・・)
たくさん稼ぐとデメリットを感じやすい?
たくさん稼ぐ人ほど、デメリットと感じやすいかもしれません。
年収が高い人は、国保と比べて保険料額が高額になるからです。
社保=健康保険料+厚生年金保険料+労災+雇用+(介護)
国保=国民健康保険料+国民年金保険料+労災+雇用+(介護)
特に支払い金額が大きいのが、健康保険と年金です。
国保の国民健康保険料は収入が上がると増えますが、国民年金は一律で17,510円です。
※2025年4月~の金額です
社保の保険料は、健康保険料・厚生年金ともに収入が上がると増えていきます。
地域差はありますが、だいたい年収350万以上くらいをボーダーラインに、国保より毎月の支払い額が高くなります。

具体的にいくらか知りたい人は、【毎月いくら?】社保・国保・歯科医師国保【金額の調べ方】を参考にしてください。
そもそも社会保険って何?
社会保険は、みんなが安心して生活できるように国が用意した制度です。
社会保険には大きく分けて5つの種類があります。
-
医療保険 病気やケガにそなえる
-
公的年金 老後に年金がもらえる
-
雇用保険 失業時にお金が出る
-
労災保険 仕事中のケガや病気にそなえる
-
介護保険 介護が必要な人をみんなで支える(40歳から支払い義務)
いざという時にサポートを受けるため、毎月それぞれの保険料を支払います。
どの保険に加入するかは自分で自由に選べません。
働き方や選んだ職場で決まります。
ここで言う「社会保険」は社保も国保も全部含みます。
これとは別に、医療保険が「健康保険」、公的年金が「厚生年金」の組み合わせの場合も狭い意味での「社会保険」を意味します。
言葉にするとわかりにくいですが、図にすると↓のような感じ。

医療保険や公的年金の種類についてはこの後解説していきます。
【最低限】職場の「医療保険」と「公的年金」の種類は気にかけよう
職場選びで社会保険を見る時のポイントは3つだけ。
- 医療保険の種類
- 公的年金の種類
- 雇用保険&労災保険はあるか
医療保険と公的年金には種類があります。

職場を選ぶ時は医療保険が何か?年金が何か?を意識しましょう。
既に働いている場合は、自分の職場が加入している社会保険は調べておきましょう。
雇用保険と労災保険は社員として働くならあって当然!と思っていてOK。
私なら、ない職場は論外です。
ただし、パートやバイトの場合は例外もあるので詳しくは【簡単に】労災保険と雇用保険って何?で解説しています。
【注意】求人で社保完備でも騙されるな
求人に「社会保険完備」と書いてあったら、安心できますよね。
歯科業界では「社会保険完備」と書いてあっても、一般的な意味と違う可能性があります。
医療保険が「歯科医師国保」だとしても、「社保完備」と言えるからです。
法律的にはOKなので、歯科側が騙してるわけではないのです。
「一般的な」社保完備と「歯科業界の」社保完備
前提として、一般的には以下の4つに職場が加入していると「社会保険完備(社保完備)」といいます。
- 健康保険(協会けんぽ)
- 厚生年金
- 雇用保険
- 労災保険
※社保完備と書かれていたら、協会けんぽが運営する健康保険への加入が一般的。
他にもありますが、歯科医院勤務では「協会けんぽ」がほとんどです。
このパターンだと、企業勤めの人と同じ内容の「社保完備」です。
ただし、歯科医院では以下のパターンも社保完備といえます。
- 歯科医師国保
- 厚生年金
- 雇用保険
- 労災保険
歯科業界では健康保険ではなく、「歯科医師国保」の場合があります。
はっきりと書かれていない場合は、面接等で確認したほうが安心です。
歯科医師国保は、健康保険同様のメリットを受けられない可能性があります。
求人の「社会保険」実際にチェックしてみた
歯科の求人の「社会保険」の記載を実際にチェックしてみました。
何の保険加入か、きわどい記載の仕方をしているパターンもありました。
- 雇用&労務保険→失業や仕事中ケガしてもサポートありか
- 厚生年金→保険料は会社が半分負担、将来の年金も増える
- 健康保険→保険料は会社が半分負担、出産や病気で働けない時の手当もあり
3つクリアで一番手厚い社保完備といえます。
パターン1:一般的な「社保完備」
※引用 ジョブメドレー
- 雇用&労災加入→クリア
- 厚生年金→クリア
- 健康保険→クリア
パターン2:協会けんぽ=社保完備!!
※引用 ジョブメドレー
- 雇用&労災加入→クリア
- 厚生年金→クリア
- 健康保険→クリア
※協会けんぽとは、社保(健康保険や厚生年金)を運営している団体です。
パターン3:歯科医師国保の社保完備
※引用 ジョブメドレー
- 雇用&労災加入→クリア
- 厚生年金→クリア
- 健康保険→歯科医師国保
※健康保険料は全額自己負担、出産や病気で働けない時の手当がない・少ない可能性(組合&勤め先に内容要確認!)
パターン4:健康保険なのか歯科医師国保なのか?
※引用 ジョブメドレー
- 雇用&労災加入→クリア
- 厚生年金→クリア
- 健康保険→健康保険なのか歯科医師国保なのか怪しい
パターン5:厚生年金&健康保険にこれからするよ!
※引用 ジョブメドレー
- 雇用&労災加入→クリア
- 厚生年金→今は国民年金を自分で全額負担
- 健康保険→今は歯科医師国保
※これから社会保険に移行予定とのことなので、いずれ厚生年金&健康保険になるはず
パターン6:雇用&労災のみ
※引用 ジョブメドレー
- 雇用&労災加入→クリア
- 厚生年金→なし 国民年金を自分で全額負担
- 健康保険→なし 国民健康保険を自分で全額負担
※厚生年金も健康保険もなしのため、将来の年金は少ない。出産や病気で働けない時の手当もなし。
歯科医師国保って何?損なの?
歯科医師国保とは、歯科医師や歯科医院で働く人たち向けに作られた医療保険です。
- 「組合」で料金も内容も変わる
- 国保よりは得!
- 保険料の損・得は収入で変わる
- 出産手当&傷病手当が社保に勝てない
- 「厚生年金に加入できるか」でも変わる
【まず比較】歯科医師国保は社保や国保と何が違う?
歯科医師国保を知るうえで、他の保険と何が違うかざっくり把握しておきましょう。
健康保険(協会けんぽ) | 歯科医師国保 | 国民健康保険 | |
---|---|---|---|
保険料額 | 収入による | 一律(地域・組合による) | 収入による |
保険料の負担 | 雇用主が半額負担 | 全額自己負担 | 全額自己負担 |
傷病手当金 | 給料の2/3程度支給 | 地域・組合による | なし |
出産手当金 | あり | 地域・組合による | なし |
出産時一時金 | 50万 | ||
産休中保険料免除 | あり | ||
福利厚生 | 健診など | 健診、ホテル優待など(地域・組合による) | 健診など |
扶養 | あり | なし | なし |
医院側の加入条件 | スタッフ5人以上で加入義務発生 | スタッフ4人以下(例外あり) | 個人加入のみ |
※2025年2月現在の情報
【東京都は例外!】
東京都のみ「東京都歯科健康保険組合」というものがあります。給付内容は協会けんぽと同じです。
協会けんぽより保険料の負担額が少なくなります。
【ポイント1】加入する「組合」で料金も内容も変わる
前提として、歯科医師国保は加入する組合(運営団体)で保険料も内容も変わります。
例えば
- 東京都歯科健康保険組合
- 大阪府歯科医師国民健康保険組合
など、勤め先や地域で変わります。
勤め先がどこの組合なのかを調べれば、正確な比較がしやすいです。
【ポイント2】国保よりは得!
歯科医師国保は、国保(国民健康保険)と比べると得です。
保険料が国保よりは安くなる場合が多いです。
国保は傷病手当や出産手当がないのに対し、組合によっては何かしら手当をもらえる可能性もあります。
【ポイント3】保険料の損・得は収入で変わる

社保(健康保険)と比べると、保険料で損する場合があります。
保険料の決め方が違うからです。
- 社保(健康保険)→お給料が高い人は多く払う仕組み
- 歯科医師国保は→組合ごと保険料が一律
なので、たくさん稼ぐ人はお得です。いくら稼いでも同じ金額を納めればOKです。
目安として、月30~40万以上稼げる人は得する可能性があります。
逆に、給料額によっては社保(健康保険)のほうが安く済みます。
月収25万 | 月収30万 | 月収50万 | |
---|---|---|---|
国民健康保険 | 約28,000円 | 約34,000円 | 約58,000円 |
歯科医師国保 | 20,600円 | 20,600円 | 20,600円 |
社会保険(協会けんぽ) | 13,442円 (26,884円) |
15,510円 (31,020円) |
25,850円 (51,700円) |
※()内は歯科医院と折半前の金額
上の例で見ると、月収30万の人は社保のほうが安いですが、月収50万だと歯科医師国保のほうがお得です。
上は大阪の例ですが、保険料は歯科医院が加入している地域・組合で変わります。
自分の場合はどうか?調べ方は「自分は社保と歯科医師国保どちらがいい?調べる方法!」で解説しています。
【ポイント4】出産手当&傷病手当が社保に勝てない
歯科医師国保は、出産や病気で働けなくなった時の手当が社保より劣ります。
例えば、「全国歯科医師国民健康保険組合」と「協会けんぽ」の手当金を比べるとこんなに違います。
全国歯科医師国民健康保険組合 | 協会けんぽ | |
---|---|---|
傷病手当金 | 病気、ケガで入院したら
院長(歯科医師会会員本人) 4,000円/1日 |
病気、ケガで休んだら入院有無関わらず 約4,400円/1日 ※月収20万とした場合 ※おおよそ月収÷30日×2/3(日額) |
出産手当金 | 産前6週間、産後8週間仕事を休んだら
|
産前6週間、産後8週間仕事を休んだら 約4,400円/1日 ※月収20万とした場合 ※おおよそ月収÷30日×2/3(日額) |
歯科医院が加入している組合によって、受けられる内容が変わります。
なので、そもそも手当が出ない組合もあります。
東京都歯科健康保険組合に関しては、協会けんぽとと同様の手当がもらえます。
【ポイント5】「厚生年金に加入できるか」が重要
加入する医療保険が「歯科医師国保」だった場合に、年金が「厚生年金」なのか「国民年金」なのかもポイントになります。

歯科医院が厚生年金に加入していない場合、自動的に国民年金に加入することになります。
さらに、歯科医師国保には雇う側の保険料半額負担(折半)の義務がないので、全額自分で払わなければいけません。
勤め先によっては、医院側が負担してくれることもあるので直接確認が必要です。
医院側の加入条件は4人以下
歯科医師国保の医院側の加入条件は、常時スタッフ数が4人以下であることです。
5人以上になると、強制的に健康保険&厚生年金に切り変わります。
ただし、元々は4人以下→5人以上に増えた場合、医院側が申請すれば歯科医師国保のままで居続ける事もできます。
スタッフの負担を軽減してくれる職場もある
院長が社会保険関係に詳しくて、スタッフが安心できるよう考えてくれている職場もあります。
例えば
- 医院が保険料を補助してくれる
- 医院が出産手当を出してくれる
- 医院が独自で病気やケガで働けない時の保険に加入している
歯科医師国の弱点を別でカバーする仕組みのある職場なら、社保よりお得感はありますよね。
【毎月いくら?】社保・国保・歯科医師国保【金額の調べ方】
社保・国保・歯科医師国保の金額(調べ方)を説明していきます。
それぞれ、「医療保険」と「公的年金」の両方の支払いが必要です。
国保の人 | 社保の人 | 歯科医師国保の人 | |
---|---|---|---|
医療保険 | 国民健康保険 | 健康保険 | 歯科医師国保 |
公的年金 | 国民年金 | 厚生年金 | 国民年金or厚生年金 |
金額の前に、以下の基本ルールも押さえておきましょう。
- 国保&歯科医師国保→全額自分で払う
- 社保→会社が半額払ってくれる(給料天引き)
歯科医師国保の人は、年金が「国民年金」なのか「厚生年金」なのかは職場で変わるので確認が必要です。
国保(国民健康保険料)の金額はいくら?
国民健康保険料の支払額は収入と地域で変わります。
おおよその金額は
税金・社会保障教育の国民健康保険料シミュレーションで調べられます。
正確な金額を知るには、納付書の確認か市区町村への問い合わせが必要です。
国保(国民年金)の金額はいくら?
国民年金の保険料は令和7年度は17,510円、令和8年度は17,920円です。
収入や地域による差はなく、全国一律の金額になります。
社保(健康保険)の金額はいくら?
健康保険料の支払額は収入と地域で変わります。
正確な金額は、給与明細で確認できます。
おおよその金額は
税金・社会保障教育の社会保険料シュミレーションで調べられます。
健康保険の保険者(運営団体)が協会けんぽの場合、都道府県ごとの健康保険料(協会けんぽ)でも確認できます。
社保(厚生年金)の金額はいくら?
健康保険料の支払額は収入で変わります。地域による差はありません。
正確な金額は、給与明細で確認できます。
おおよその金額は
税金・社会保障教育の社会保険料シュミレーションで調べられます。
日本年金機構の保険料額表でも確認できます。
歯科医師国保の金額はいくら?
歯科医師国保の保険料は、職場が加入している組合(運営団体)で変わります。
金額は、勤め先に聞くか、各組合のホームページを確認する必要があります。
自分は社保と歯科医師国保どちらがいい?調べる方法!

- 勤め先(就職希望先)がどこの組合に加入しているか確認
- 都道府県名 + 歯科医師会 + 国保でネット検索
- ホームページで「保険料」「保険給付」情報を探す※不明ならTEL確認しちゃいましょう
- 社会保険料シュミレーションに自分の月収を入力し健康保険の月額を調べる
- ③の歯科医師国保の保険料と、④の健康保険の月額を比べる
これで、自分は保険料的に社保と歯科医師国保のどちらが安いか調べられます。
【注意】保険料の種類が職種や立場で分かれていて、わかりにくい場合があります!
-
甲種/正組合員→院長
-
乙種/準組合員→勤務医、衛生士や助手、技工士
だいたいこんな感じですが、よく注意書きを探せば、自分が見るべき保険料がわかります。
ここはちょっと面倒なのですが、頑張りましょう。
【金額の比較例】社保・国保・歯科医師国保
社保・国保・歯科医師国保について、保険料額の比較例を上げておきます。
※40歳以下・月収約25万とした場合の比較例
※40歳以上は介護保険料が上乗せされます
例1:愛知県で勤務
国保 約24,600円
歯科医師国保 13,200円
社会保険(協会けんぽ) 約26,052円 (自己負担 約13,026円)
※参考:愛知県歯科医師国民健康保険組合
例2:群馬県で勤務
国保 約19,600円
歯科医師国保 14,200円
社会保険(協会けんぽ)約25,506円 (自己負担 約12,753円)
※参考:群馬県歯科医師国民健康保険組合
例3:福岡県で勤務
国保 約20,500円
歯科医師国保 15,000円
社会保険(協会けんぽ)約26,910円 (自己負担 約13,455円)
※参考:福岡県歯科医師国民健康保険組合
【簡単に】労災保険と雇用保険って何?
労災保険 仕事中の事故や病気の際にお金が支給
雇用保険 仕事を辞めた時に次の仕事が見つかるまでお金が支給
労災保険は雇われてる人は全員入る
労災保険は雇われて働いてる人全てが対象です。
正社員・パート・バイト関係なく対応してもらえます。
保険料は、会社が全額払ってくれます。(給料から引かれません!)
雇用保険は週20時間以上&31日以上雇われる人
雇用保険は、加入に条件があります。
- 1週間に20時間以上働く人
- 31日以上は雇われる予定の人
※2028年には10時間以上に緩和予定です
パートやバイトでも、上の条件を満たす人は加入することになります。
保険料は会社と労働者で負担します。会社のほうが少し多めに支払います。
国民年金と厚生年金は将来貰える年金が違う!
国民年金 老後にお金が支給
厚生年金 老後に国民年金にプラスしてお金が支給
※令和7年現在※金額は毎月
※例は22歳~60歳まで38年加入、年収350万だった場合
※参考 厚生年金保険料率および協会けんぽ管掌の健康保険料率
国民年金は20~60歳はみんな加入
国民年金は20歳以上60歳未満は全員加入します。
働いてなくても、パート・バイトでも、自営業の人もみんな入ります。
保険料は全員一律17,510円です。※2025年4月~2026年3月まで
ちなみに2026年3月~は17,920円になります・・・
厚生年金は「5人以上の職場で働く正社員」が対象
厚生年金は常時スタッフが5人以上なら、歯科医院勤務でも対象です。
5人未満でも、「~法人」に勤める場合は加入します。
保険料は会社と労働者で半額ずつ負担します。
地域差はありませんが、収入が高いと保険料も上がります。
パートやバイトは条件を満たすと加入
厚生年金の適用事業所に勤めている場合、条件を満たせばパートやバイトでも加入できます。
- 週の労働時間が正社員の4分の3以上
- 月の労働日数が正社員の4分の3以上
この両方を満たせば加入になります。
上記に該当しなくても、以下を全て満たすと加入です。
- スタッフが51人以上いる
- 週に20時間以上働く
- お給料が月額8.8万円以上
- 2ヵ月以上雇われる予定
- 学生ではない
社会保険のよくある疑問

年金って元とれるの?
結論、年金をもらい始めてから約10年程度で元は取れます。
65歳から貰ったとして、75歳くらいまで生きれば払ったぶんを回収できます。
女性の平均寿命は87歳なので、大半は損しません。
死ぬまで受給できるので、長生きするほど多く貰える仕組みです。
40歳になったら介護保険料を払わなきゃいけないの?
結論、40歳になったら介護保険料は払わなきゃいけません。
自分や家族が利用する・しないとか、必要ないとか関係なく、みんな払います。
社保や歯科医師国保の場合は、給料から天引きされます。
国保の場合は、国民健康保険料に追加して請求されます。
今の職場が社保じゃないけど、社保に出来ないの?
結論、結構難しいです。(理由は後ほど)
ですが、正社員で法人の職場かスタッフが5人以上の職場に勤めているなら、院長や理事長に相談してみる価値はあります。
ただ、言い方を間違えると関係が悪くなってしまう可能性もあります。
「法律に違反してます!社保じゃなきゃ辞めます!」みたいな言い方は避けましょう。
「今後社保になる可能性はありますでしょうか・・・」のように、やんわり相談してみましょう。
それで無理なようなら、社保の職場に転職してしまったほうが早いかもしれません。
なんで社保完備じゃない歯科が多いの?
人数が5人未満の職場であれば、医院側に社保加入の義務はありません。
入らなくても法律上OKなので、入っていない医院が多いのだと思います。
社保完備にすると健康保険と厚生年金の半額を医院が負担することになります。
スタッフ全員の保険料を負担するのはかなりの出費。
これが、今が社保じゃない場合に、お願いして社保にするのが難しい理由です。
まとめ スタッフ思いの職場で働こう!
- 保険によって保険料や受けられる給付が変わる
- 無難に良いのは「健康保険」&「厚生年金」完備の職場
- 歯科医師国保は条件によっては得
今回は歯科の社会保険についてお話ししました。
社保完備=スタッフの働きやすさに最低限配慮のある職場といえます。
ですが、社会保険の内容が職場選びの優先順位1位ってわけでもないと思います。
人間関係が良いとか、学べることがあるとか・・・他に大事にしたいこともあるのではないでしょうか。
今の職場が社保完備じゃなくても、次の転職時に社会保険の手厚さも少し気にかけて探してみるのもありですよね。
総合的に今の職場は微妙かも・・・と思うなら他の候補を探してみてもよいですね。