歯科衛生士の経験を上手く活かせないかな?
そんな疑問を解決する記事です。
職種は変わっても、意外と活かせる経験はあります。
とお悩みの人は是非参考にしてくださいね。
志望理由は例文も紹介していきます。
歯科衛生士向けの内容ですが、アレンジ次第で歯科助手から事務職への転職にも使えますよ。
歯科衛生士から他職種へ転職する人は多い
歯科衛生士を辞めて、他職種へ転職する人はたくさんいます。
歯科衛生士の資格保持者・・・約30万人
歯科衛生士として働いている人・・・約14万人
参考:令和4年衛生行政報告例
つまり、約50%の人は歯科衛生士の仕事をしていないことになります。
一度離れて、また戻る人もいますが
勤務時間や人間関係、自分の体調などがネックになり
歯科衛生士以外の選択肢に目を向ける人が多いのも事実です。
歯科の経験で一般企業の事務で活かせるスキル!
結論、歯科衛生士の経験の中で一般企業の事務職で活かせるスキルはちゃんとあります。
もちろん、歯科助手さんも同じ。
転職時に上手くアピールするには、経験を整理しておくのがポイント!
下のように2つのスキルにわけて考えると整理しやすくなりますよ。
ポータブルスキル→歯科衛生士以外の職種でも活かせる
テクニカルスキル→歯科衛生士の専門知識やスキル
歯科衛生士の経験の中で、他職種でも活かせるのはポータブルスキルの方です。
未経験者でも、ポータブルスキルは次の仕事に活かせる経験として見てもらえます。
【具体例】歯科衛生士の経験から活かせるスキルを探す
もう少し具体的にするために
歯科衛生士として経験した仕事を細かく書き出してみます。
例えば、以下のような感じ。
- 口腔内の観察
- 治療や検査の説明
- 検査や資料採得
- メンテナンス
- TBIや保健指導
- 治療のアシスト
- 準備や片付け
- 患者さんや家族の対応
- カルテの入力や整理
- 予防計画立案や評価
- 患者配布資料の作成
- 薬剤や物品の在庫管理
事務職でも活かせるスキル・経験に置き換えよう
書き出した歯科衛生士の仕事の中から、
一般企業の事務でも活かせそうなスキルや経験に置き換えます。
この時、歯科衛生士の専門スキルでなく、仕事の仕方や他者との関り方(ポータブルスキル)を意識して置き換えてみます。
具体的には、以下のような感じ。
経験した仕事 | 事務で活かせるスキル・経験へ置き換え |
---|---|
口腔内の観察 | 観察力:状況をよく見て細かいところに気付く |
治療や検査の説明 | コミュニケーション力:お客様やメンバーへ状況を説明する |
検査や資料採得 | データ収集力:必要な情報を収取し、記録する |
メンテナンス | タイムマネジメント力:限られた時間内に適切なタスクを実行する |
TBIや保健指導 | 指導力:メンバーや後輩への指導力 |
治療のアシスト | サポート力:上司や他部署とタイムリーに連携し、サポートする |
準備や片付け | 先読み力:常に先を読んで気を配り準備しておく |
患者さんや家族の対応 | 相談対応力:相談の趣旨や目的を明確にとらえ、対応する |
カルテの入力や整理 | データ管理:データの入力から整理、管理まで行う |
予防計画立案や評価 | 計画力:改善策を提案、計画的に実行する |
患者配布資料の作成 | 書類作成スキル:ワードやパワポを使って資料や文書を作る |
薬剤や物品の在庫管理 | 在庫管理:エクセルで管理表作成、適切量を把握・不足や過剰を防ぐ |
上記は一例です。
症例などのプレゼン経験があれば「プレゼン用の資料作成経験」
医院の業務フローの改善経験があれば「業務改善スキル」
としてアピールできます。
整理してみると、歯科衛生士経験がを充分活かせることがわかりますよね。
歯科衛生士から事務への志望理由例
志望理由の参考例文が見たい!
転職理由がどうしても応募したい企業があって!
という人よりも、歯科衛生士はもう辞めたくて・・・
のようなネガティブな理由が本音だという人も多いと思います。
そんな場合に特に困るのが「志望理由」ですよね。
そこでこちらでは、志望理由の作り方と参考例をご紹介します!
志望理由に入れると良い2つの要素
志望理由欄に書く内容をまとめる上で、以下の2つを盛り込むと「しっくりくる」志望理由になります。
- その企業に興味を持った理由
- 企業に貢献できる経験やスキル
なぜなら採用担当者は、どうしてうちの会社の事務に興味をもったのか?
さらに、企業にとって採用するメリットがあるか?
という目線で履歴書を確認するからです。
「その企業に興味を持った理由」「企業に貢献できる経験やスキル」
両方を含めた例文をいくつかご紹介していきます!
志望理由【例文1】コミュニケーション力×事務
貴社の上下関係なく活発にコミュニケーションを取る社風に魅力を感じ、志望致しました。
これまでは、歯科衛生士として5年間勤務しておりました。
仕事をする上で、歯科医師と患者様の間に入り、治療の説明や状況報告など綿密にコミュニケーションを取ることを意識してきました。
事務の仕事でも、相手のニーズを的確に把握するためによく会話し、相互理解を深めることが大切だと考えております。
入社後は、前職で培った「聞く力」や「伝える力」を活かして、正確な業務遂行に貢献したいと考えています。
志望理由【例文2】事務処理力×一般事務
前職の歯科医院では、患者様対応だけでなく、「在庫管理表の作成」や「配布資料の作成」など、歯科医院における事務業務全般に携わりました。
歯科衛生士として事務業務を行ううちに、次第に事務の仕事に興味を持ち、事務職への転職を決意しました。
現在、スキルアップを考えてMOSの資格を勉強中です。
貴社は新入社員の方のアイディアで、部署や役職を超えた情報共有の場を実現するなど、チャレンジングな環境が非常に魅力的だと感じ、志望しました。
貴社への入社が叶いましたら、前職で培った事務処理能力を活かして、業務の効率化にチャレンジし、幅広い業務を担当できる事務員として成長していきたいと考えています。
志望理由【例文3】傾聴力×コールセンター事務
貴社の社員教育プログラムが充実しており、スキルアップの機会が多い点に魅力を感じました。
自己成長を続けられる環境で働きたいと考えています。
これまでは歯科衛生士として、患者様の健康管理をサポートしてまいりました。
特に大切にしていたのは、患者様のご不安が早く改善するよう、訴えをよく傾聴することです。
コールセンターの事務職でも経験を活かし、お客様に寄り添ったサポートがしたいと思い志望しました。
志望理由【例文4】サポート力×営業事務
サポート力をアピールするのもアリです
現職では、歯科衛生士として患者様対応や歯科医師の補助業務を行っております。
仕事をする中で、「業務改善」や「資料の作成」で共に働くスタッフのサポートをすることに最もやりがいを感じてきました。
例えば、スタッフが早く仕事に馴染めるように、院内の業務フローのマニュアル化を提案・作成した経験があります。
その経験から、今後は事務の仕事でスキルアップしていきたいと考えるようになりました。
貴社は1人の営業担当者に1人の営業事務がついているため、手厚くサポートしながら仕事ができると思い志望しました。
志望理由【例文5】先読み力×総務事務希望
貴社の働きやすい職場環境と、従業員の主体性を尊重する企業文化に魅力を感じました。
現在は歯科衛生士としてクリニックで働いており、歯科医師のアシスタント業務を中心に経験してまいりました。
現職での私の役割のひとつは、1日の治療スケジュールが円滑に進むようにコントロールすることです。
時間がかかりそうな治療を先読みし、事前に準備を進めたり、適時状況を把握して周りに指示を出すように心がけています。
貴社の総務の仕事でも、社内の方の業務が効率よく進むよう先回りして確認し、サポートしたいと考えております。
歯科衛生士を辞める理由は語るべき?
歯科衛生士を辞めて、事務職を目指す場合に迷うのが
歯科衛生士を辞める理由は応募時には言うべきなのか?
言うとしたら、なんて伝えたらいいのか?
ではないでしょうか。(特に、体調理由や人間関係が本音の場合)
私は以のように対応しました。
履歴書→敢えて書かない
面接で退職理由を聞かれたら→ポジティブな内容も入れてさらりと伝える
履歴書に歯科衛生士を辞める理由は書かなくてOK
私の場合は、履歴書には歯科衛生士を辞めざるを得ない理由は敢えて書きませんでした。
具体的な退職理由は書く必要ないと思います。
ただし、下記のような場合は退職理由を書いたほうが、採用担当の理解を得られる場合もあるようです。
- 結婚や出産
- 病気やケガでブランクがある
- 転職回数が多い
- 職歴に一貫性がない
書き方は、以下のような感じです。
例) 20××年×月 △△歯科医院 入社
20××年×月 △△歯科医院 事務職へ転身するため退職
「出産準備のため」、「結婚準備のため」~など、状況に合わせて変えます。
ちなみに私は、「一身上の都合により」と書いてきました。
退職理由を聞かれた場合はどう対応する?
私の場合、事務系職への転職時
- 歯科衛生士の施術より、スタッフをサポートすることへやりがいを感じていること
- 体力的に長く続けるのが厳しいと感じていること(長く1つの職場で働きたいこと前提)
を中心に伝えて内定をもらえました。
次のキャリアに向けた、前向きな内容をメインに話すのがポイントです。
①の転職理由は、内容は志望理由とかぶりますが、そこは気にせず・・・
(そのほうが一貫性も示せます)
歯科衛生士を辞める理由は99%聞かれる
面接では歯科衛生士を辞める理由は、ほぼ聞かれると思ったほうがいいです。
退職理由の具体例や、答え方のポイントは以下の記事でお伝えしています。
「退職の理由を聞かせてください」と言われる場合もあれば、
具体的に「なぜ歯科衛生士じゃダメなの?」「職種自体変えたい理由は何?」と聞かれることも。
突っ込まれた場合は「1日〇人くらいの患者さんを〇分間隔で対応していて」など、具体的な状況も話すようにしていました。
また、人間関係に関する不満は絶対言わないようにしてます。
自己PRはどう作る?大事なのは一貫性!
選考が進むと、絶対に必要になるのが自己PR。
自己PRは、志望理由と一貫性のある内容にすると納得感を与えやすくなります。
例えば、志望理由でコミュニケーション力を活かしたいと語ったなら
コミュニケーション力を活かした具体的なエピソードをいれてみましょう。
コミュニケーション力を活かした自己PR例
私は前職で、「聞く力」や「伝える力」を活かして確実な業務を行ってきました。
例えば、インプラント治療予定の患者様の不安な様子を察知し、ヒアリングの場を提案したことがあります。
患者様と会話する中で、緊張のため歯科医師の説明がよく理解できていなかったことが発覚しました。
そこで、歯科医師へ状況を伝えて再説明し、ポイントを紙に書いてお渡しする対応を取りました。
その結果、治療当日もお互いの認識が合った状態で安心して治療を受けて頂くことができました。
事務職においても、上司や他部署とも円滑なコミュニケーションを図り、信頼関係を築くことができると考えています。
志望理由と合わせて!アピールに使える資格
未経験×事務への熱意を資格でアピールする方法もあります。
以下のような資格があると強いです。
-
MOS(マイクロオフィススペシャリスト)
-
簿記
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itパスポート
事務職に必要不可欠なのは、パソコンスキルです。
特にExcelは、ほとんどの企業で使われています。
勉強していることを伝えたら高評価だったみたいです。
志望理由で事務職への興味を語るなら、資格欄にMOS(WordやExcel)などが書けると説得力が増します。
さらに、ビジネス知識や簿記的な知識もあると有利になることも。
未経験×事務職におすすめな資格はこちらの記事で詳しく解説しています。
【まとめ】歯科での経験は事務でも活かせる
以上、ここまで歯科衛生士から事務職への転職で活かせるスキルや志望理由を紹介しました。
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歯科衛生士経験は一般企業の事務で活かせる?
→経験した仕事の中から活かせるスキルを探そう! -
転職時の志望理由はどうしたらいいの?
→企業に興味を持った理由×活かせる経験やスキルで作ろう -
歯科衛生士を辞める理由は伝えるべき?
→履歴書には具体的な理由は不要。面接ではポジティブな内容中心に。
歯科衛生士の経験で得たスキルを、事務職で活かすことは可能です。
スキルとはちょっと違いますが、心構えのクセが活かせることも。
私は歯科衛生士の時に、先生はどうしたらもっと治療に集中できるかな…と考えるようにしていました。
(私も!という人はいるのではないかな?)
事務職に変わっても、自分のサポートで営業さんの事務負担を減らさなきゃ!という使命感があります。
その気持ちが行動に出るのか、営業さんから感謝されることもあります。
プレイヤーをサポートする精神は、職種が変わっても一緒だなーと感じます。